ロトが当たったら家を建て替えるのでこの本を借りたが
今週もロトのくじは1円にもならなかった。
あんパンを買った方が賢かったのか・・・。
新潮の5月号に載った三島由紀夫の全集未収録の短篇。
恋文 三島由紀夫
酒がこぼれたのでハンカチを出そうとして知らない間に
ポケットに入っていた封筒にさわった。
堅人一方の藝なしザルの支店長は、この怪文書を一座に
ひろうして、宴会の座興に代えた。
匿名の恋文である。拍手がおこる。
「明日五時PX前でお待ちします。X子」
艶福家扱いをされて支店長はにやにやしている。
家に帰って最愛の婦人にみせた。
婦人は冷艶な美人である。そんなはずはないという微笑が
会心の微笑に変わった。
「御覧あそばせ。安子の字ですわ」・・・・十三の長女がうなだれた。
怒ることも出来ずに、「あきれた悪戯だ。おやじをからかうにも程がある。
何故したんだね」・・・・長女はぼんやり宙を見ながら答える。
「お父様が可哀そうだから」
婦人のまゆが一寸険しくなった。良人は気がつかない。
長女は家の中のことを何もかも知っていて、
父を憐んでいたのである。
父にも恋人が一人ぐらいあってもよいと思われるのだった。
PXというのは進駐軍の売店を表すらしい。
さすがに私でもこれはピンときませんでした。
要するに浮気相手が複数いる母親。
それらを知っている娘、何も知らない父親。
非常に短いものですが、良いなぁ~と思いました。







