唯一心を愛犬にのみ開く少女と、その娘を全く理解出来ない父親。
その軋みから弾き出されてしまった犬の変貌が、少女の(内と外)世界を大きく変えて行く。
予告からして只事でない!スリルありましたが、本編は期待以上。
父親にとって殆どモンスターである少女。そして本当にモンスターとなってしまう少女の犬。
その構造を活かして語られるのは思春期特有の痛みなんですよね。
大人に理解されない自分が、唯一心開いてた存在が、理解出来ないモンスターとなってしまう事で、対象化される自分。
若干独創的ではありますが、紛う事なき青春映画だ。
しかし、今作の映像感覚は鮮烈。
まんま野犬でゾンビ映画やってる感じなんだけど、いちいちどの構図も決まる。
揺るがなくこれを撮る!って監督の強靭な意思があった。
