『ノスフェラトゥ』
2015年12月 @ KAVC
純白が禍々しき闇に染められ行く官能。
ここでのアジャーニの美しさは世界遺産レベル。あの首筋はそりゃ噛み付きたい!
ブルーノ・ガンツは若過ぎてイメージが今と繋がらない。
そして、キンスキー!キンスキー!キンスキー!登場シーンからして殆どギャグか!ってぐらいの強烈なインパクト。
トランシルヴァニアのロケーション(実際に?)も禍々しくって堪らない。
あの滝は『ビザンチウム』で引用されてるよね?
あと闇の中を割く馬車には鳥肌。
あの船が川へと侵入する描写の静寂がヤバい。
そしてペストに侵されて行く街の描写はもう…
初見時はポポル・ヴーの音楽を全く知らなかったけど、知ってから改めて聴くと、あぁ、ヴーだ、な音だったな。
『ヴォイチェック』
オープニングから世間の歩みや空気を全く読めぬヴォイチェックを演じるキンスキーに感情掻き乱された。
2015年12月 @ KAVC
そして、彼を虐めぬくヘルツォークのほくそ笑みに思わず呼応する自分がいたな。
前半こそ喜劇的なんだけど(オープニングなんて完全にサイレント喜劇だもん)、徐々にヴォイチェックを圧するストレスが私たちにも溜まって行く構成で、最後の爆発からの展開に冷や汗吹き出た。
『アギーレ/神の怒り』
2015年12月 @ みなみ会館
遂に・遂に・遂に観た!
そして想像を絶するシーンの数々に戦慄…
ヘルツォーク✖︎キンスキーが追い求めたのはエルドラドか?それとも映画の神の怒りか?
今回こそは!だったんだけど、KAVCのスケジュールとも併ず…諦めてたのでした。が!
そっか、みなみ会館もやってたわ。で、調べたら丁度元々京都に行こうと思ってた日に偶々上映あって無事遭遇出来たのでした。
いや、しかも、今回の特集、全部デジタルなんかな?だっただけにフィルム上映は嬉しかったな。
さて、殆ど筏の上で展開する今作。
にして、このスペクタクル…狂気…
『フィツカラルド』を想起する所もチラホラありましが、これはその10年も前か。
上映スタート早々、余りに無茶な撮影の数々に客席から“スゲェ!”の声が漏れ捲り。
いや、もう、映画に捧げてる凡ゆる物のレベルの桁が違い過ぎるし、最早再現は不可能であろう。
しかし、ここでもキンスキーは土壇場。
もう、目が・目が・目が…
あそこ迄の狂気を体現する目を他に知らない。
そうそう、同一スクリーンで近々に観たのもあってか、『食人族』への影響を観て取れるシーンあったね。