ヴィヴィヤン・マイヤーを探して | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

ヴィヴィアン・マイヤーを探して

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2015年11月 @ シネ・リーブル神戸

オークションで落としたネガフィルムから紐解かれる、ある女性の数奇な運命と、彼女の残した膨大な写真が辿る仰天の顛末を追ったドキュメンタリー。
これは、まさに掘り出し物! 

監督は実際にオークションでネガを落とした本人なんだけど、その情熱と執念、そして使命感には感服する。
降って湧いた訳なのにね。
多分に(協力を断られた)美術館へのリヴェンジもあったのだろうけれど。 


本人にどれ程の(監督として・映画としての)自覚があったのか分からないけれど、しっかりとしたドキュメントになってるのには驚くし、こんな全くの素人にインタヴューできちんと対応してる方々にも驚くな。 


証言者から徐々に実像が形成されていく(気がする)ヴィヴィアンが相当に変わり者だった事はよく解るのですが、今の感覚だと無茶苦茶お洒落な人だし、その生き様もクールだ。

 

私が今作を観よう!と決定付けたのは現像された彼女の写真群の余りの素晴らしさになのですが、何故此処迄のクオリティ・枚数の写真を世に問わなかったのか?な大いなる疑問が氷解して行く後半の展開は鳥肌物。

 

勿論今となっては彼女の真意を問う事は不可能なのですが、丁寧にその痕跡を辿って行く今作はかなり肉迫しているのでは?
その分、辛い側面も観なきゃならないのですが。

 

今、例えばSNS時代を彼女が生きていたらねぇ…
ってのは考えちゃうよね。
勿論そんな“たられば”は何の意味も持たないのですが。 


途中で話が及ぶフランスの片田舎の写真屋さんに大きく“FUJIFILM”とあったのが印象的。

前日大劇で観た健さんの映画三本の頭にも“富士フィルム”。
20世紀の文化を富士フィルムから辿って行くのも面白いかもしれない。