去年の爆音『ファイト・クラブ』で、ぶっ飛ばされて、やっぱ初期フィンチャー半端ねぇ!となってただけに今回の上映は待望でした!
フィンチャーはそれこそ世代的にど真ん中、その登場の鮮やかさから(PV撮ってた頃も込みで)、打ちのめされる傑作群、からのどうも気持ち離れてた時期を経ての、近年迄ずっとね。
まぁ、『セブン』に関しては、思い入れ強いフィンチャー初期作品群の中でも別格だよね。
フィンチャー云々越え、あの時代の凡ゆる概念を覆した作品として刻まれている。
さて、劇場で観る事自体も初だった今作をまさかの爆音で…
の興奮と恐怖。
は、初っ端のカイル・クーパー(画)✖︎トレント・レズナー(音)のタイトルバックでいきなりピークに!!!
90年代に映画のタイトルバックの歴史を更新したカイル・クーパーと、90年代のカリスマ“NIN”のトレント・レズナーの手掛けたコレは、私的映像史でも最重要。
何度見返した事か…
まぁ、あのタイトルバックからしてえげつない爆・音・圧/響!
デジタルリマスターの画も極上。
何よりKAVCのあの空間の闇へと染み出る禍々しさが最高級の体験をもう約束した。
爆音って体験した事ない人には、唯デカい音を出してるだけなイメージあるかも?しれませんが、全然違くって、ライヴのPAを持ち込む事で、繊細な音響設計を劇場に曝す上映なんですよね。
繊細な音響設計を曝す事で、通常の上映では中々表出して来ない背景が漏れ・溢れ出し、秘められた想いや狙いが見えて来る。
結果として必要な大きさの音量・音圧になっている訳だ。
劇場で改めて観て、そう言えばフィンチャー初期作品群は“街が主人公”だなと思ってたのを思い出した。
爆音でより鮮明となった降り続く雨音がその形状・温度・空気を表出させる。
去年の『ファイト・クラブ』もそうだったけれど、爆音とフィンチャーって相性が好いよね。
音響に拘れば拘る程に、露わに曝される作品の表情の変化が、スクリーンに映え捲る。
雨音一粒ずつの響き。
部屋を揺らす地下鉄の軋み。
銃声の向けられる方向。
“音”が“響き”で以って体感を立体的に包み込む。
あの指紋確認に吹き付けられるスプレーの音とかびびったぞっ!
ストーリーの面白さは言う迄もなく。
よくもまぁ、こんな禍々しき脚本を極上のサスペンスへと構築出来たものだなと唸る。
容赦なき描写と、抜群の編集。
臨界点を引き上げたよね。
そう言えば、偶々同回に同席した極親しい御二方が、両者共に全く初めて観て大興奮されてましたが、考え得る限りで最上の上映での初な訳で、羨ましくって仕方なかった!
ブラピの野心、モーガン・フリーマンの芸達者っぷりの歪なバランスが噛み合って行く興奮もあるよね。
そして、底知れぬ才気で一気に持って行くケビン・スペイシー!!!
今作エンドロール迄フィンチャーの天邪鬼っぷりが堪能出来るんだけど、ボウイの偏愛楽曲No.1をあんな爆音で堪能出来たのも大収穫だな。
しかし、『セブン』のサントラは何故にこんな作りになったのだろう?
重要なる頭とお尻の二曲は収録されていないし、ハワード・ショアのスコアも二曲のみ。
そんなの入れるの?なのばかり。
バッハのアリアからジャズにR&B、ヘアカット100迄。映画のスタイリッシュさから遥か遠いごちゃ混ぜ盤。
せめて頭とお尻の二曲は入れろよ!だよね。
爆音映画祭 in 神戸2015 @ KAVCの初日は『エイリアン』のジェリー・ゴールドスミス、『エイリアン2』のジェームズ・ホナー、『セブン』のハワード・ショアと、ハリウッドを代表する作曲家のスコアを聴き比べられたのも面白かったな。



