細田守監督は、今を生きるに欠けてしまいがちなピースを心地好く埋めてくれる。
家族皆で安心して観られる強度と、個々それぞれの胸を突く細部のバランスは驚異的。
当然ながら、またもや傑作。
染谷くん繋がりでもないだろうけれど、『寄生獣』との奇妙なシンクロニシティもあったな。
作家性に囚われがちになってしまう今の鑑賞側の凝り固まった眼を、バッタバタとその画の躍動で以って薙ぎ倒してくれるのが痛快。
そんな観点で原恵一監督の『百日紅』とも通ずる。
勿論色々と描かれているモノの背景は見え隠れする訳ですが、そんなの抜きに、“ハァ～面白かった！”となれるなら、それに越した事はない。
今作のシンプルさは、そんな原点を思い出させてくれた。
タフになったな。
高木さんのスコアも素晴らしい。
先日某TV番組で彼の今の生活を追ってましたが、まんま『おおかみこどもの雨と雪』みたいで、作品が彼を呼んだのか、彼が作品を手繰りよせたのか…
エンディングも手掛けて欲しかったね。