杉浦日向子さん原作ならではの、江戸の日常が記録としてでなく記憶として活きる物語と、それを丹念に拾いつつ、浮世絵⇔漫画⇔映画と掛かる橋を表出させる原恵一監督の手腕。お見事。またもや傑作だ。
北斎の娘と、北斎、そして妹。
三人の関係性を軸に、雑多なエピソードに寄り道しつつ、浮世絵へと注がれる想いの橋が強度増して行く構成がお見事。
物語とも呼応するかの様な、技巧的ではない、画の色香、その艶や蠢きによりフォーカスした全体のタッチに溜息出る。
ちょっとした表情や所作とかね、あと色だな。静寂であったり。
光のない世界に生きる妹とのやり取り、その父親との関係性を、台詞でなく、画で表現する術には唸る。
