ティム・バートンの世界 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

ティム・バートンの世界
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2015年2月27日-4月19日 @ グランフロント大阪


入場したのは、スタート時間の11時。
出たの14時。
それも、次の予定が迫ってたので、ちょっと後半駆け足ったぐらいで、じっくり堪能するならば、3-4時間は覚悟しておいた方が良い。


グランフロント地階に詰めに詰め込まれた500点にも及ぶ、バートンの妄想の坩堝。
ナフキンに描かれたスケッチからディズニー社やデップに送られた手紙、巨大なオブジェから貴重なアマチュア時代の映像etc.
怒涛。


よくぞ、そこ迄持って来たなぁー!と、呆れる程のバートンの満漢全席ですが、それをきっちりと残していたバートン自身の、意外なナルシシズムも今回の収穫。 


500点に及ぶ展示作品の殆どが絵なんですが、その内の95%が何らかのキャラクターを創造したものなのが彼らしいし、その創造の源泉は半世紀近く同一の成分で湧き続けているのが解る。 

不当に阻害されたアウトサイダーへの底なしのシンパシーと、矛盾せずに同居する自己投影経由の冷徹な眼差し。
それは変わらず在るのね。 


そして、あの黒だ。
神経質な線で埋めつくされた闇。
の、豊潤さ。
カラーの絵よりも圧倒的に鮮やかなのである。


驚くのが、割と忙しくなったであろう90年代半ば以降から割に近年迄、結構な量の絵を描いている事なんだよね。
しかも、多分映画用のスケッチなんかでないレベルのを。
先ず描く。
それが彼にとっては日常なんだろうな。

そして、そんな風に膨大に描かれた絵画群が、軈て凡ゆる形で映画へも繋がって行く様が、あの地下空間で縦横無尽に辿れる快感が、今回の展示の醍醐味!
三時間いて、一瞬バートンの脳内とシンクロした気がする。


映像作品をどどどっとレヴュー!

「先史時代の穴居人」1971年

バートン、僅か13歳で撮った処女作にして大作。
男の子なら身に覚えありまくる、フィギュア使った“ごっこ遊び”も、彼の手に掛かれば壮大な景色が拡がるのだ。 


「フーディニ -秘話-」1971年
同じく13歳で撮ったこちらは、高名な奇術師への無邪気な愛溢れる一本。
本人も出演。

 

「ティムの夢」1972年
14歳のティム自身(出演も)の見てる夢って形で様々な短編が連なる意欲作。
ストップモーションの駆使等、映画としての完成度は高い。 


「1997」1974年
16歳の時に撮られた僅か一分のストップモーション作品。
何かの習作なのか?若しくは途中で飽きちゃったのか?

 

「王様とタコ」1978-79年
20-21歳で撮った待望のアニメーション!
いやぁ~、抜群に面白い!
ラフな線のみの画で、色もない下書きまんまなれど、その躍動に込められたバートンの想いの丈が溢れ出る!傑作!


「セロリ怪獣の彷徨」1979年
バートン21歳。この作品がディズニー入社へと繋がったのも納得な、傑作アニメーション!
ダークさとお茶目さのバランスも上々。

 

「ドクター・オブ・ドゥーム」1980年
22歳のバートンの怪奇映画への愛溢れた、監督としてはほぼ完成しちゃってる!な、一本。 


「ルーアウ」1982年
バートン、24歳の時に撮った実写作品。
彼らしいしダークでシュールなユーモアに溢れた怪作。
バートンの眼前にはこんな可能性の扉もあった筈で、でもそこを開かなかったのは興味深い。

 

「ヴィンセント」1982年

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バートン24歳、商業映画としての記念すべきデビュー作。
所属していたディズニー側から、内容の暗さ故の封印を余儀なくされた曰く付きの一本なれど、彼の成功を受けて、今やな人気作! 

僅か6分のストップモーション・アニメなれど、バートンのこれまでと、これからとが、ギュギュっ!と犇き合う、原点にして最初の到達点と言える大傑作だ!
もう、堪らなくって二回観ちゃった!

このタイトルは主人公の名前な訳ですが、勿論怪奇映画の大スター“ヴィンセント・プライス”から。
バートンの熱烈なるその愛に応える様に、プライス自身もナレーターとして参加している。 

怪奇映画や文学の世界に囚われ、そこに生きる悲運の主人公として自らを、その妄想に埋没されるヴィンセント越しの世界と、それを半ば呆れて見てる母親越しの現実との、そのギャップ。
可笑しくも哀しい… 

様々な怪奇映画や文学他への、バートンの溢れ出る愛が、最上の形で語られ、まんまこれティム少年だろ(本人は否定しているらしいけど)!
フランケンウィニー他、後々の作品に連なるイメージも数多。 

この上映、私、殆どの展示や全ての映像作品を観終えてから臨んだのですが、だからこそ、ここに至るイマジネーションの軌跡がここに注ぎ込まれている様がくっきりと見えて、涙腺が激しく刺激された! 

今作、ディズニー側が早々と封印しちゃったので、後々の『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の成功迄中々陽の目を見なかった訳で、日本ではこれが(変則的ですが)初の上映になる?
今作目当てでも是非!


「ヘンゼルとグレーテル」1983年

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バートン25歳、ディズニー・チャンネル用に撮った、幻の一本。
あの童話をモティーフに、低予算ながらも、バートンらしさの土壇場で、これが長らく封印されている事への疑問は増す。
全てアジア人キャスト。

実写ながらもアニメーション的手法や感覚を巧みに組み込んだポップな世界観。
子供目線ならではの無邪気な暴走のカタルシス。
30分を越えても冴える演出の術。 

これ、初めて観たんですが、後の「アラジンと魔法のランプ」とごっちゃになってて、日本ではレンタルで見られると思い込んでたんだけど、そっか、アメリカでも一回TVで放送したっ切りなのか。 

動画サイトで見た人も多いんでしょうが、今回は確りとした字幕も在る形で観られるので、是非会場で足を止めて臨んで欲しい。
全35分。


「ステインボーイ」2000年

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某サイト用に作られた1話3-5.5分全6話のフラッシュ・アニメ。
日本語字幕付きで観られる機会はこれが初?
この時期のバートンにしては中々の猛毒な怪作。
沢山の子供が観てた(笑)!

フラッシュアニメであろうが、バートンらしさは失われていないんだけど、でも、やっぱ、いつもの手作り感ない質感故あの残酷さの救いようのなさは薄ら寒い…
でも、ステインボーイのいじらしさは好き!


「ボーンズ」2006年
「ヒア・ウィズ・ミー」2012年

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バートンが手掛けたザ・キラーズのPV二本も上映。
展示の都合上、小ちゃいモニター・小ちゃい音声だったのが残念な程にそのクオリティは高い。

「ボーンズ」の方は、あのストップモーション・アニメ駆使したアドヴェンチャー映画の名作へのオマージュを、ロマンスと絡め思わずニヤリとさせられる技ありな一本。
デヴォン青木が出てます。 

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「ヒア・ウィズ・ミー」は、バートンの盟友ウィノナ・ライダーが如何にもな役で出ててガッツポーズ!

ゴティックな美意識&ロマンス。
PVとしても、そしてバートンの短編映画としても、これは好きだな。
メイキングも有。 


映像作品群をフルサイズで観るだけでも軽く二時間超えるので、じっくり絵画も込みで楽しみたいのなら、最低でも三時間、出来てら四時間は余裕見てた方が良いかも?

中にはトイレないので、その辺りも考慮して!

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目録っーより、ほぼ画集なパンフはマストアイテム!
ここでしか手に入らないお土産の数々もそそられ捲ります!
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