恐怖劇場アンバランス | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

2011年9月の呟き纏め
『恐怖劇場アンバランス』
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レンタル屋に並んでたのを見つけてしまって、ここんところ『恐怖劇場アンバランス』を見てるんだけれど、同じく円谷プロ制作の『怪奇大作戦』なんかに比べると、少し概念的過ぎると言うか、ハッタリも薄く生真面目な印象。その分、知的なクロスワードパズルみたいな楽しみ方も出来るか。

しかし、映像・演出・編集とクオリティは高い。それもその筈で、監督陣には鈴木清順・藤田敏八・神代辰巳・黒木和雄・長谷部安春なんて名前がズラリ並ぶのだ。まぁ、当時はまだまだ無名な人達だったんだろうけれど。

この番組は何とも不遇な作品で、撮影から3年以上も放送されずにいた上に、当初はゴールデンタイムの放送を予定していたのが深夜枠になってしまったり・・・。まぁ、この内容じゃ致し方なし。

総じて感じるのは、40年前ではあるものの、随分大人なドラマが描かれている(エロスもタナトスもより身近である)上インテリジェンスだと。この国はいつから稚拙さに寛容になってしまったのだろうなー

浅川マキまで登場する“恐怖劇場アンバランス”の「夜があけたら」
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なんて、このタイトルの題字からもう笑ってしまう程に黒木和雄節満載で、西村晃の怪演共々こりゃ紛う事なき70年代初頭の空気を焼き付けた傑作である。

鈴木清順監督の「木乃伊の恋」の間抜けなまでの知的遊戯と言い、神代辰巳監督の「屍骸を呼ぶ女」の死して尚如何し様も無い我々の愛、とか、こんなドラマシリーズでも結局自我が発露しちゃうのが監督の性で、そんなんだから後々残るんだよね、大物は。
円谷のTVシリーズで異彩を放ち捲くった実相寺昭雄監督(『怪奇大作戦』の「京都買います」!)は当然として、『if』で「打ち上げ花火」を撮ってしまった岩井俊二監督とか、『私立探偵濱マイク』での色んな監督の鬩ぎ合いとか・・・思い出すね。

恐怖劇場アンバランスの難は“恐怖”でプレゼンしてしまったとこだろうね。その冠を外せばより深く何度も味わえる。し、もっと評価されただろうな。

2013年5月の呟き纏め
「死骸を呼ぶ女」
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監督は何と神代辰巳!
とは言っても映画ではなく、これは円谷プロ制作のドラマ『恐怖劇場アンバランス』の中の一本。
今だとシリーズでDVD化されてますが、単品でのソフト化って貴重?

この『死骸を呼ぶ女』含むドラマ“恐怖劇場アンバランス”は1969年に制作されながら、諸事情に拠り1973年までお蔵入りされてた曰く付きの作品。


と言う事は、監督の神代辰巳的には、興行的には失敗作であったデビュー作『かぶりつき人生』の翌年に撮られ、ロマンポルノ以外でも評価を高める事になった『青春の蹉跌』の前年にやっと公開と、中々に因果な作品だな。


しかしTVドラマが全話撮られていながらも四年間もお蔵入りになり、更にはその後ちゃんと放送されたってのがその内容以上に奇妙だ。
今だと絶対不可能。


恐怖劇場アンバランスについてはここに相当詳しい。

今なら全話TSUTAYAなんかでも簡単に借りれます(私も去年やっと見た)。
神代監督他、鈴木清順や藤田敏八、黒木和雄に長谷部安春etc.の若き野心に触れられます。