その振り幅、詰め込み具合、そしてロマンティックに過ぎる語り口!
トリュフォー!この野郎!ツボ突くじゃねぇか!な、台詞満載にメロメロ。
女性への距離感にもいたくシンパシー。
『恋のエチュード』(1971年)
『私のように美しい娘』(1972年)
『終電車』(1980年)
先ずはの一本目『暗くなるまでこの恋を』
面白かったー!
ヒッチコックテイストなロマンチック風味のサスペンスなんだけど、ヒッチコックがサスペンスのフォーマットで以ってロマンチックな想いを成就させるのに対し、トリュフォーは途中で堪らず反転して、溢れ出る(笑)。最高!
ドヌーヴ✖︎ベルモンドのキリキリと致死量たっぷりな恋と欲望の駆け引きが堪らん訳ですが、その奥で隠し通せない!なトリュフォーの想いが出しゃばる。って構図。
その滾る想いを永久に凍結させたラストの雪景色が絶品!
オープニングに“ジャン・ルノワールに捧ぐ”と『ラ・マルセイエーズ』の映像が引用されてますが、
未見だからなぁ…その意味合いを図り切れない。何とかチェックしたい。
『恋のエチュード』と『私のように美しい娘』は対照的な作品なれど、
互いに補完し合うかの様なモティーフやエピソードが散見されて面白い。タイピストの描写がまんま同んなじで笑った。
まるでトリュフォーの内にある対極なフェイズで、それが心地好く突出した二本だ。これを続けて撮ったのは、自分の中でバランス取ってるんだろうな。
内と外、聖と邪、哀と悦。
こんなの観ちゃうと、トリュフォーって育ち良かったんかしら?と思ってしまう程(実際は問題多かった)に、よくもまぁ、こんなの撮っちゃえるな、と呆気に取られる俗世知らずの若人の恋模様。
ジャン=ピエール・レオも、らしくて笑。
兎に角体感時間が長いトリュフォー作品の中でも、これはそこがより顕著な大河ロマン。
いっそ、もっと後半盛り込んで四時間ぐらいの大作として観てみたかった気も。
当時のジャン=ピエール・レオの枯れた姿はちと無理があった。
あと室内撮影の美しさは絶品。
翳りのエロス。
特にミュリエルの巻かれた包帯を捲り上げて覗く眼って描写のエロさは只事でない!
クロードとアンの関係性もまたねぇ…
あの小島の別荘…
“朝食は君だ”も…
トリュフォー、何てもの撮っちゃってんだ!
『私のように美しい娘』は、前作にあたる『恋のエチュード』から一転、テンション高めのコメディですが、この振り切りっぷりにこそ、トリュフォーの本分がある気がする。
兎に角面白い!会場も笑に沸いた。
ベルナデット・ラフォン演じるカミーユの奔放さが全編に亘って躍動して、映画が転がる・転がる。
『暗くなるまでこの恋を』と『終電車』は11年の時を経ているものの、『暗くなるまでこの恋を』のあの台詞が『終電車』の舞台上に蘇るって流れは中々に憎いし、泣かせる!
あと『暗くなるまでこの恋を』と『恋のエチュード』に出て来た“子供みたいに~して”なんて台詞はトリュフォーらしいなぁ。
『暗くなるまでこの恋を』と『私のように美しい娘』に感化院上がりの女性が出て来るのにもニンマリ。









