こんな映画をガスが撮る様になったのか!な驚きが、やがて実はこんな映画を撮って来てたのかも?と思わせてしまうのが肝。
二転・三転する主人公のイメージと彼のフィルモグラフィーが折り重なる瞬間!
予め欠落を抱えたままな僕らは、果たして何を持てずにここ迄来てしまったのだろう?の、そこへとふとフォーカスしてしまうかの様なカメラワークは相変わらずのガス節炸裂で、でも、どんなに唖然な撮影もあざとさは無縁だ。
空撮が酔いなぁー。ラストの引きの画も。
ポンと抜かれる青空/電線/鳥も酔う。
あの朝靄も。
ガスお得意の人物のボヤかし方にもニンマリ。
この町の平坦な日常に寄り添うかの様な選曲も酔いし。
印象的な劇伴は何とダニー・エルフマンだ!※と、驚いてたら『グッド・ウィル・ハンティング』他、結構タッグ組んでた…
泥酔したマット・デイモンがグダグダに朝帰る横を山羊に追いたてられてる姿に萌えた。今作のマット、可愛い。
ハードなテーマでもあるし、聡明な語り口ではあるものの、基本間の抜けたユーモアのグルーヴなのが最高。その辺がガスの真骨頂。
『NO』
おもしろかったNO!
ガエルくんの涙目が可愛いかったNO!
ホントに世界はこんな風に変わるNO?
もう、手法から語り口迄、その物語同様ユニークで、これは劇場で堪NOすべきよ!
そもそもあの手法がズルいよなぁー
あのビデオの画質一発で“あの時代”へと誘うだなんて!憎い!
まぁ、昨晩観た『プロミスト・ランド』同様、選挙へと至る攻防戦のスリルに酔う訳ですが、問題の根は深く、そんな単純に結論出して、そして一気に好転する訳じゃない。両作共結末はスタート地点なのだ。
『プロミスト・ランド』での泥酔ヘロヘロ朝帰りマット・デイモンと言い、今日の『NO』での息子と暫しのお別れで涙目になるガエルくんと言い、萌え過ぎやろ!
『プロミスト・ランド』も『NO』も、互いに大きな権力と、それに抗う民意の狭間に据えられたカメラの眼差しの行方にハラハラな作品なれど、どちらも独特のトボけたユーモアある辺りは矢張り塚口サンセレクト。

