ファンタジスター | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

2010年2月、mixiでのBlogの転載。

映画好きの功罪を一身に感じた。そんな週末でした。
しかしひっさびさだなー。こんなに映画漬けになったのも。
土日で劇場で5本、レンタルで3.5本の映画鑑賞(笑)。

土曜のリバイバルの2本は既に綴りましたが、この日曜は隣町に渡りお昼から晩までファンタジー三点盛。

ギリアムがまたもやトラブルに巻き込まれた『Dr.パルナサスの鏡』。
{2B854F1F-CE9C-4CCF-B89C-3B782DDEA8AF:01}
{C4F9E61E-A15D-4B45-AF18-BA61E80012F4:01}
ギリアムは勿論好きでしょ?と思われそうなんですが、毎度楽しみつつも難癖つけてしまう監督でした。
やっぱ『未来世紀ブラジル』とか一番好きなんだけど、あのアンチSF映画な姿勢とか青いなーとか思ったり(何様だ!)。『フィシャーキング』はロマンチックで感動したけど、あそこまで行っちゃうとギリアムの名前が邪魔に感じたり。『バロン』とか面白かったけど、子供の頃に見たから今見直したらどうなんだろ?
『ラスベガスをやっつけろ』は他の監督の方がよりおもろくなっただろうなーとか。『12モンキーズ』はオリジナルの『ラ・ジュテ』に思い入れがあり過ぎて…。『ローズ・イン・タイドランド』は無茶苦茶好みなのに、ギリギリでギリアムらしさが気持ちを阻止するんだ。
な、感じで、本当愛は感じるのだけど、憎しみも込みなのだ。
が、しかし、だ。今回はもう手放しで絶賛したい!
ヒース・レジャーの悲劇は確かに大きな影を落としてはいるのだけれども、そんなの見るうち忘れる(それでこそ彼も本望だろう)。若干ギアが入るまでに時間が掛かる作品ですが、ギアが入ってからはもう悶絶級のイマジネーションの洪水!いつも抵抗感じてしまうギリアム臭が全部(私にとっては)好転している。
トム・ウェイツの怪演も要チェックだ。
最高傑作か!?いや、次こそのドン・キホーテに期待だ!

で、間髪入れずに『ラブリーボーン』。
{0421C7C2-FE0E-4648-A2F9-2201E5607455:01}
{A58D3830-6B9A-4399-B2A7-5977C22339C9:01}
大好き好きなピーター・ジャクソン監督の最新作。
話題なのはスピルバーグのプロデュースだけれど、うーんと特に彼の影はチラつかなかったかな?
ピージャクはもう初期の超グロいのから近年の大作までどれもこれも好きなのだけれど、多ジャンルに亘る彼のフィルモグラフィーに通じる芯は過剰なロマンティックであろう。映画への大いなる愛が満ち満ちたエモーションの放熱が画面をロマンティックに彩るのだ。それは初期の『ブレイン・デッド』であっても感じるものだ。
そんな彼の最高傑作は『乙女の祈り』だと思うのだけれど、今作はあれと合わせ鏡な作品の様な気がいたします。
殺されてしまった少女が留まる天国と現世の狭間の世界のヴィジョン。今作はもうそれだけでお腹一杯になってしまう程のイマジネーション。
いや、それはもう半端無く凄いんだけど、その凄さを然程感じさせない程彼の演出は熟練して来たかな?多分LOTR以前に手掛けてたらもっと痛かった筈なんだ。そこが少し寂しくもあったのだけれど、それを上回る程の切なさが突き刺さってくるストーリーでもありましたね。主演の女の子の儚さと強さを奇妙に兼ね備えた存在感は中々のもの。
関係無いけどオープニングに登場するペンギンのスノードームが今の気分に嵌った。欲しいな~
そうそう、知らなかったんだけど音楽がイーノだったんですよね。最初の方のシーンで「Third Uncle」が流れて吃驚したんだけど、エンドロールまで心地の良い音楽に酔わされもします(コクトーツインズとかジス・モータル・コイルとかも流れます)。特にエンドロールのイーノ尽くしが気持ち良過ぎ!まさに天国へと浄化して行くかの如し涅槃音響。に浸っていたら、もう観客は私一人だった…

うんでもって、暫し時間経ってから『かいじゅうたちのいるところ』!
{2B8ABC68-E1FD-4EE6-BB7E-BF91D64B8277:01}
{36BD04B9-A2A9-4E04-8795-1A02BE28A00F:01}
もうさ、前述した2本で高い境地へと飛ばされていた私に止めをさしたのでありましたよ。
スパイク・ジョーンズってば…
正直映画としての文法なんて鼻っからすっ飛ばされている。そんなの彼の場合今に始まった事ではないけど、今回のすっ飛ばし方は酷い。いや、勿論良い意味で。
ここまで映画の文法使わなかったら普通体を成さないだろう。
でも、そうだよなー、映画の感動って本来こんなものだったよな~なのである。
言うなれば『しんぼる』で松本人志がやろうとして全くできなかった事の全てがここにある(笑)。松ちゃんこれ見たら悔しがる筈なんだけど、これを悔しくなければもう映画は辞めた方が良いですよ。
結局スパイク・ジョーンズは映画に選ばれた男なのだ。ミシェル・ゴンドリーでもなくハーモニー・コリンでもなく彼なのだ。彼が撮ればもうそこには映画のマジックが振り撒かれるのでありましょう。
さて、肝心の本編。マックス・レコーズ(MAX RECORDS)なんて奇跡の様なネーミングを持つマックス役の男の子があまりに素晴らしいのだけれど、それを上回る程の“かいじゅう”たちの正に怪演が驚異的。正直最初予告で見た時は危ういなーと心配してたのだけれど…何だあの細やかな演技(?)は、目も凄いんだけど口の動きがもう!
音楽のヤバい程のエモーションは語る言葉もありませぬ。
そしてオープニングの落書きが最高!

映画を好きで良かった。心からそう思う。
あー現実に戻れるのだろうか?