第9地区 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

2010年4月、mixiのBlogより転載。
『第9地区』
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いやー、すんごかった!!!
これぞ映画館体験!!!
今これを観ずして何を観る!!!

な、大興奮作品。

これは前情報無い状態観て欲しい作品なんで、あんま書きたくないんですが、とは言っても是非足を運んでもらいたい。
じゃーどんな作品?と聞かれてもどこを説明すれば良いやら・・・
多分ストーリーだけ言っても惹かれ難いよな~
で、そのストーリーよかこの映像のダイナミズムこそ真骨頂な気もするし。
かと言って映像やアクションやSFXだけの表面的な作品でも決して無い。
な、とってもアンビバレントな構造持った映画です。

突如南アフリカのヨハネスブルグに飛来した宇宙船。
その内部には大量の宇宙人の難民が溢れていた。
そんな彼らを救う為に人類はヨハネスブルグに“第9地区”と言う居住区を設立し彼らを住まわせた。
のが、20年前。
その20年で驚異的に地球に“馴染んだ”彼らは爆発的な繁殖力とアナーキーな横柄さで我々人類をも脅かす存在となっていた。
さて、業を煮やした人類は・・・

ここまでのストーリーだけでお腹一杯になるのに、まだまだこの先からがメインディッシュなんだから困り者。
いやー、もうお腹下してる状態なのに次から次へとご馳走が運ばれてくるんだもん!参った!

これで監督は初の長編なんだからさ、これからどうなっちゃうんだろ?
もう、あれやこれや撮って貰いたいもの浮かびます。
今まで日本の漫画やアニメの実写化には懐疑的でしたが、この監督なら安心して任せられるんじゃないの?
数々のSF映画へのマニアックなまでに愛情と、独創的且つリアリティ溢れるアクション描写、そして細やかな部分まで繊細に(時に生々しいまでに)描き切る人間臭いドラマ。

監督のニール・ブロムカンプは映画の舞台にもなった南アフリカの出身。だからこそ描けるリアルな南アフリカの息遣いもあるのでしょうが、やっぱあの地で生まれ育ったからこそ持ち得た視点もあるんじゃないかな?
宇宙人の難民と言うストーリーの形を借りながらも、ここで描いてる問題は私達人類が普遍的に抱える問題である事は素人目にも明らかな訳で、そここそがこの作品がアカデミー賞の作品賞や脚本賞にノミネートされた要因なんでしょうしね。
しかし、そんな難しいテーマをここまで普遍的にポップにラディカルに(しかもユーモア満載!)響かせるのが彼の才気。

そうだ、彼はジェームス・キャメロン信者なんですが、劇中にも明らかにキャメロンにオマージュ捧げてるシーンが多々あって微笑ましかったね。実際キャメロンから褒められたらしいし。
でもキャメロンの『アバター』とテーマ的な共通項はあるものの、その内実は大きな隔たりがある。その辺にキャメロンの限界を感じもするものの、でもやっぱ南アフリカの現状を見つめて育った視点では『アバター』的な甘さ(そここそが大成功した要因でしょう)は生まれないだろうしね。