ビートニク映画祭 | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

ビートニク映画祭

2014年9月 @ KAVC

と言う訳で、ビートニク映画祭 @ KAVC。
怒涛の六本立てでした!
こんなハードでも、やってケルアックね!


ビートニク映画祭と言われても、ビートニクには直接的には何ら影響受けてないし、そもそも唯一その辺で持ってる『裸のランチ』ですら読み齧って棚の奥に仕舞い込んじゃってる不届き者である。
※しかもKAVC、『裸のランチ』上映なし…

とは言うものの、間接的影響は莫大な筈で、それを確かめる為に向った側面もあり。

一本目は1966年の伝説的ドラッグムービー『チャパクア』。
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コンラッド・ルークス監督、ロバート・フランク撮影、ラヴィ・シャンカール音楽、フィリップ・グラス音楽監修。
全然知らなかった映画なんだけど、全編ほぼハードな薬中の幻想で笑った。 

オープニングの駅から街へと出て行く辺り迄の映像が非常に幻惑的で、特に街出てのハードに色をトバした画とかゾクゾクするんだけど、サナトリウム入ってからは割にスピリチュアル系になっちゃって残念。
あっ、でもあのスケートのシーンはナイス。 

あと動くムーンドッグに感動! 


二作目『シッダールタ』は『チャパクア』のコンラッド・ルークス監督の1972年の二作目(にして最終作)。

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原作はヘルマン・ヘッセで、何でもビートニク世代のバイブルだったとか。

撮影はベルイマン作品で知られるスヴェン・ニクヴィスト。

1972年のヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞も納得の、圧倒的な説得力に充ちた一代大河ロマン。
やっぱ撮影が美しいし、西洋経由東洋思想な内容も過剰な幻想なくって安心して観られた。


三作目『キャンディ・マウンテン』は、『チャパクア』も撮影した写真家ロバート・フランクと作家ルディ・ワーリッツァーの共同監督作品。

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ジャームッシュにも影響与えたってのも成る程の、ユルユルのロック×ロードムービー。
これはオモロい! 

相も変わらずなトム・ウェイツ(弾き語りあり!)のヤッピー振りも最高なんだけど、Dr.ジョンやジョー・ストラマー、アート・リンゼイなんかも出てます! 

そもそも伝説のギター職人訪ねて何千里…な設定・展開からして緩過ぎなんだけど、これが中々どおしてワクワクして追えちゃう!

幕切りの侘しさもまた酔い。 

トム・ウェイツ出演のシーンで天井からのマイク一瞬映らなかった?

あの謎の日本人女性のキャラ造形が中々秀逸で笑えない。Kazuko Oshimaさん、気になります。


四作目は『ドント・ルック・バック』。

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1964年のイギリスツアーなんで、丁度50年前のボブ・ディランですよ(公開は1967年)!
先ず何より若い!そしてかっちょいー!
キャーキャー青い歓声上がるのも納得だ。
あの伝説的なオープニングから、エンディングのタイトルの入り方迄、とってもヒップな映画。
またディランの吐く言葉、何気ない仕草もクールなんだ。 
個人的にはディランにそんなに嵌まらなかったんだけど(そうは言っても代表的な作品は何枚か持ってるけど)、こんな風にリアルタイムで出会ってたら一発で持ってかれただろう。 
兎に角この頃のディランのシャープさよ。
しかし、余りにクレバー過ぎる感性は、ややこしいファンや、面倒臭いジャーナリズム引き寄せてしまうって構造はいつの世も同んなじ(苦笑)。 


そして五作目『スウィンギング・ロンドン1&2』。
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これは不思議な作品。
1967年に撮られたPart1はスウィンギング・ロンドンの渦中を無造作に捉えたドキュメント。
10年後に作られたPart2はその素材を元に、再構成された野心作。 
正直Part1観てる時は、まっ、こんなもんか…だったんですが、Part2で唸った。

同じ素材を使っても此処迄深み変わるか!な一本。
哲学的な語り口で、スウィンギング・ロンドンのその背景を炙り出す。 

ここでのミック・ジャガー、あぁ、そんな事を言っちゃう人だったのかぁー、と目から鱗。かっこいい。 
あと、ビートルズのあの曲はこんな風に流れるとやっぱ鳥肌…

そんで六本目『ジャック・ケルアック キング・オブ・ザ・ビート』。

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このビートニク映画祭の中心、ケルアックが如何にケルアックへと至り、そして…を描いたインタヴュー&再現ドラマで構成された一本。 

は、しかし、何だ、1985年に撮られてるのか。
何で今このタイミングで公開なの??? 

ケルアックの生涯もまた壮絶なんですが、『路上にて』が何も偶然の産物ではない事がらしくない程感動的。
しかし、あれだけ皆に愛されてたのにねぇ…
人生とはわからないものです。 

今作、観てて面白いのは、インタヴューされている作家さん達の語り口。
やっぱ作家さんは記憶の仕舞い方もまた豊潤で、その語りも文学的だ。 


と言う訳でビートニク映画祭 @ KAVC、全六本。
考えたら全部観た事なかった訳で、それもまた珍しい経験だったなぁ。
楽しかった!

そんでもって、ギンズバーグ、出過ぎ(笑)!