『リアリティのダンス』!
おぉ、『リアリティのダンス』…
唯の傑作やないか!!!
このタイトル(しかし、秀逸に言い表している)、そしてあの予告故、やや概念的か!?との危惧は杞憂であった。
85歳?23年振り?
超現役だぜ!!!
まぁ、『リアリティのダンス』、とっても面白いのだ。
確かにホドロフスキーらしい語り口や映像感覚溢れてはいるものの、多分ホドロフスキー初心者、いやホドロフスキーだなんて冠なくっても純粋に楽しめる事が出来る作品であろう。
広くお勧め。
今月頭のミルクマンさんのトークショーでも語られてたのですが、今作を観るとホドロフスキーの作品群は突飛な物語や映像に溢れたカルト作ではなく、自伝的要素(自作自伝含む)が満載な抒情詩であった事が解る。
勿論相当に作為的な側面もあるし、彼の場合自身の過去さえも書き換える事で自分の物にしちゃう訳で、その(何処迄が事実かどうか?な)線引きは然程重要ではないんだけど、『リアリティのダンス』で描かれる過去のアレやコレが過去作に連なる様に鳥肌。
あの山からゾロゾロ降りてくる流浪の民と警察(軍?)が対峙する様はまんま『エル・トポ』だし、記憶喪失だった父親が佝僂の女性に世話して貰っていたエピソードは『エル・トポ』にも『ホーリー・マウンテン』にも『サンタ・サングレ』にも通ずる。
『サンタ・サングレ』で幾分唐突な印象あった『透明人間』の引用元はこれか!なシーンもあった(ここ泣かせる)!
あとね、やっぱ、『エル・トポ』で実の父親にトラウマ級の演技を強要されてたブロンティスが、その父親とも通ずる自分にとってはお祖父ちゃんを演じているって構図が不謹慎ながらもオモロ過ぎるのだ!
たまに出てくるアレハンドロ本人もむちゃくちゃ良い!
凄く哲学的な事を囁きながらも、過去の自分を抱きしめて上げる様にはグッと来るしかない。
エル・トポやホーリー・マウンテンのあのラストから、リアリティのダンスのラストの距離…
その変化こそに希望を見出したい。
しかし、『リアリティのダンス』、どうした事でしょう?
寺山修司臭がいつになく濃厚(ベクトルは逆な筈なのに…)。
『ホドロフスキーのDUNE』
~モトマチセレクションvol.29
カルトの王様/アレハンドロ・ホドロフスキー監督特集”
~『リアリティのダンス』
と、元映でこの夏繰り広げられた怒涛のホドロフスキー攻撃。
特に8/2の元映二階でのミルクマン斉藤さんのホドロフスキートークショーは楽しかった!
新作『リアリティのダンス』から一気に遡り、生い立ちから映画監督以前、そしてあの狂乱の70年代から、不遇な時代を経ての、現在へと。
様々な映像を引用しつつ、ミルクマンさんの膨大な知識と、鋭い洞察が冴え渡るり悶絶!
特に日本では劇場未公開どころかソフト化もされていない『TUSK』や『The Rainbow Thief』や、エル・トポ以前の監督作のフッテージをスクリーンで観られたのは至福でした!
