ルネ・ラルー | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

2011年2月、mixiのBlogを移植。

手塚治虫の『火の鳥』の望郷編だったか・・・?

全く未知の惑星に降り立った登場人物達が、人類の知覚の許容範囲を超えたその世界に発狂寸前になってしまう描写があって、子供心にすんごくショッキングでありました。

人類の知覚なんて広い宇宙に飛び出してしまえばそんなもんだろう。

一時アウトサイド・アートなんてのがもてはやされましたが(すごく居心地悪いブームでしたが・・・)、あれは人類の知覚の無限の可能性を大いに感じさせてくれたものでした。が、裏を返せば私達の知覚が随分と狭い範囲でしか機能してないのだとも証明してくれましたね。
まぁ、その狭さこそ個性を生むのでしょうが。



な。気分なのはルネ・ラルーをまた見たいなーとムズムズしてるから。

ルネ・ラルー。アニメ界の巨匠。と言い切るにはあまりにも奇妙で謎に包まれた存在。

大体寡作だ。手掛けたのは長編は3本だけ。あとは短編を数本。

元々画家としてスタートした彼は若き日の4年間を精神科クリニックの絵の講士として過ごしている。この経験は多分に大きな影響を後の作品に与えているのだろう。1960年に始めて手掛けて短編アニメはそこの患者達と共の制作されている。

その後画家・作家のロラン・トポールとのコンビで短編「かたつむり」(1965年)や彼の名を一躍世界に広めた『未開の惑星 ファンタスティック・プラネット』を生む訳だ。
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ロラン・トポールと生み出した不気味に狂った世界で淡々と綴られるお伽噺は一度見ると確実に遺伝子に影響及ぼす程の衝撃を与えてくれます。
切り絵を駆使した他に類を見ない視覚効果もトラウマ級であります。
          
出会いはいつの事だったのだろう?たまたまつけた深夜のTVで衝撃的なその映像に全身が身震いしたのでありました。古くに付けられていた字幕が全く読めないと言う最悪の条件が、理解不能度を更に助長させイマジネーションを喚起させると言う最高の条件に転化させられ、ますますと虜になったのでしたが、その謎なアニメこそ『ファンタスティック・プラネット』だったのですよ。

奇妙なヴィジュアルの巨大な宇宙人達のペットとして愛玩される私達人類。やがて人類は反旗を翻し・・・。そのストーリーは幾通りにも深読み出来ますが、深読みすればする程その世界観に手足は囚われ・・・帰る術を失うのであります。
また見たいなと思いつつも近所のレンタル屋には勿論並んでおらず・・・随分経ってから再度放送したのをビデオに録画したな~

そう言えば近所のレンタル屋を隈なく捜して他の長編『時の支配者』と『ガンダーラ』は見つけたんだよな。
     
『時の支配者』(1980年)はあのメビウスと組んだSF大作。
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それまでのシュールで哲学的な趣きもある世界観から一転、非常に解り易くエンターティメント性に溢れた作品で一般層にも普通にお勧めできるアニメであります。
『ファンタスティック・プラネット』の制作途中でロラン・トポールと仲違いしたそうなんですが、それまでの作品はロランの色が随分強かったのだなーとよく解ります。

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『ガンダーラ』(1987年)の方は画家のフィリップ・カザと作り上げた作品。初期の頃のシュールな作風が戻り宗教色も強まった意欲作でありますが・・・。まず絵がちょっと弱いなー。北朝鮮まで制作が関ったと言う事で予算も随分限られていたんじゃないのかな?本人の思うヴィジュアルが存分に発揮されてるとは言い難い。そしてストーリーも随分安直。シュールとは言えどその奥に何かを読める程のものでもないし・・・。実際この作品と同年に同じメンバーで作られた短編を一本残しルネ・ラルーは監督業から引退してしまっている。限界を感じたのか?それともやり切ったのか?

あ~また纏めて見直したい!と思ったら私持ってたのよね。
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こんなのって買っちゃうと見ないんだよなー