初日って事で、満席みっちみちでした。
そして、これが期待を遥か越える傑作!
そうか、こんな映画だったのか…
そして、これが期待を遥か越える傑作!
そうか、こんな映画だったのか…
オープニングから只事でない緊張感溢れるカメラワークで、その低温火傷しそうなモノクローム撮影と、生理を逆撫でするフェティッシュな“音”の感覚から、チリチリと狂気と怒り、そして無常が滲み出る。
実在の事件を題材に、しかも僅か66年前の、となると、中々にアプローチが難しいし、個人的には苦手なタイトルが多いのですが、今作はこれ、吃驚する程に“映画”として語る事に成功しているのではないのだろうか?
ふと思い出したのは今年頭に観たアレクセイ・ゲルマン監督の『道中の点検』とか。
ここに流れる時間の感覚、そして島と言う閉鎖的空間の地理的・心理的距離感であったり。
スクリーンに大きく頭擡げてくる“余白”があまりに美しく・怖い。
今後この作品はデジタル撮影に於けるモノクローム作品の在り方の大いなる指針になるのではないだろうか?
曇り空、雪、木の枝、煙霧、洞窟、血…
あの洞窟での時間の感覚が世界から取り残され溶解して行くかの様な撮影は見事。
灯火が消えて行き闇に呑まれて行く様。
劇場の暗闇の中、遥か遠くに命の灯火が浮かび上がる様。
あそこでの長回し、ゾッとしたなぁ。
子供のリアクションがリアルだ。
本作をして、“現実はこんなもんじゃなかった”だなんて批判も見掛けるのですが、これはあくまで“映画”だ。
“映画”として“普遍”に溶かし込む事で、言葉や時間を越え響き・残る想いがある筈だ。
チリチリと低温火傷しそうなモノクロームから滲み出る、真っ白な狂気と漆黒の悪夢。
先ずはその映画的恐怖の興奮を味わって貰うところから始めよう。
