聴こえてる、ふりをしただけ | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

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2012年12月。@ 元町映画館。

ヤバい!
今年の邦画ランキングの牙城崩れる!
な、傑作!
いや、早くも名作。
『聴こえてる、ふりをしただけ』

ちょっと、感想の言葉より先に想い迸っちゃうよ、これ…
凄い。
多分、こんな感情を言葉でフォームしちゃえない内に大人になってしまってたんだ。


“死”と“喪失”の齟齬を埋める術なんて持ち合わせていない少女の剥き出しの問い掛け。
大人になった私だって、そんなの誤魔化してるだけなのに、彼女は傷つきながら・傷つけながら答えを探す。

あんな風に誤魔化し効かない現実を前に、壊れるしかない父親。
あの姿は他人事じゃなかったな…


少女が対峙すべき存在それぞれが象徴している命題、これは本当に酷ですよね。
私なんて全部逃げて来たんじゃないだろうか?


主役のサチを演じた野中はなちゃん、とても素晴らしい。
眼差しから指先まで、戸惑う内面を言葉より先に迸し切る。

そんな彼女を想うからこそ対峙してしまう美由紀役の越中亜希ちゃんも、物語の境界を生きる希役の郷田芽瑠ちゃんも、何であんな演技が可能だったのだろう?


『聴こえてる、ふりをしただけ』で一番吃驚だったのが、デジタルであそこまでの光を獲得している事。
あの、柔らかさと暖かさ、しかしクリアーでもあり。
今後の映画に於けるデジタル撮影の大きな指針になるんじゃないだろうか?


いやー、しかし、返す返すも『聴こえてる、ふりをしただけ』のカメラ凄かったな…
そんな専門的な事わかんないけどさ、あれって凄いテクニック駆使されてるんじゃないのかな?
デジタルだからこそ可能なのかな?
カメラがあそこまで意思と温度を空気を介して呼応するとは!

あんなフォーカスとかさ…ボケてる部分との絶妙のコントラストあって…で、それが台詞以上に雄弁で…


パンフ可愛いっす。

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