『グランドピアノ』面白かった!
ピアノ内部とホール内部、そしてピアニストの内面とが、巧みにシンクロし合い、何重にも掛けられた“鍵”が揺さぶられ、突き動かされ、解けて行く様を、歪な美意識と重力狂った音響で奏でている。
兎に角“重力狂ってる”としか表現し得ない音響ドラマとしてそそられる。
それでもって、流麗さと忙しなさの駆け引きがスリリング過ぎて、時に踏み外し気味なカメラワークも輪を掛けてて、サスペンスとして破綻気味なのも酔い。
そもそも、通常の88鍵のピアノに9鍵の低音部を拡張した97鍵のベーゼンドルファーのインペリアルのルックスからしてハッタリめいていて、それがこの物語のトーンそのものな気がする。
まぁ、イライジャ・ウッドやジョン・キューザックには窮屈な撮影だっただろうけどさ(笑)。
要するに僕の好きなスペインのサスペンス映画の正統なる系譜に連なる作品なんすよ、これ。
初期アメナーバル一派とかのね。
アメナーバルの『テシス(殺人論文って方がしっくり来る)』や『オープン・ユア・アイズ』なんかに嵌った御仁にはお勧めよ!
