面白かったー!
駄作、駄作、だなんてレッテルに結構ビクビクして観始めたのに、グイグイと持ってかれた。
二階堂ミホさんの儚さと、天野小夜子さんのバブルの浮世に中指立てて一人進化を求める姿に惚れた!
村上龍さんが自らの原作を元に撮り上げた監督四作目。
個人的には『だいじょうぶマイ・フレンド』しか見た事なくって、それも余りのグダグダっぷりに失笑した記憶しかない訳ですが、他監督作も評判は散々な物が並んでて…(『KYOKO』はあの淀川さんが褒めてた)
『トパーズ』に関しても、勿論存在自体は知ってたんだけど、VHS時代のレンタル屋でも中々手が伸びず…
それでも、資料館向かったのは、これを資料館で観れるってその食い合わせの妙を堪能してみたかったのもあるし、今この時代に何故トパーズ?ニュープリント?な興味も。
あと、招待券もあったし。
でもさ、実際観てみたら、これが思いの外に面白かったのだ。
1992年1月に公開でしょ?
個人的には中三の頃で、丁度大人の世界を覗き見し始めてたあの頃の、ゾクゾクする欲望とか嫌悪感とか…諸々に想い馳せてみたり…
資料館的には二月に観たハル・ハートリーの『はなしかわって』以来の二階堂ミホさんは、まるでお人形さんの様に、いたぶられ、もてあそばれ…
するものの、その儚さから陰惨さが滲み出ないのはある種の才能か?
高級住宅街を延々彷徨うシーン、凄い!
そして、この『トパーズ』の鮮烈さの大部分を担うのがSM嬢を演じた(実際のSM嬢でもある)天野小夜子さんであろう。
二階堂ミホ以外、正規な役者が殆ど出ていない劇中(でも、意外に皆好演)、一際異彩放ちつつも、物語の核心を突く言葉、存在。
まるで岡崎京子さんの漫画から飛び出て来たかの様(あのアッシーくん!)な、天野小夜子さんの、そのシルエット、アクション、台詞、思想、どれも兎に角クール。
もう、天野パートだけでも常に動画持ち歩きたいよ。
あの中指突き立てながらの…とか、部屋でのワンマンショー最高!
部屋でさ、机の上を蠢くバイブがもう素晴らしい動きすんのよね(笑)。
“この国はブライドのない金持ちだから…”って考え方だったり。
血を流しつつの、進化についての台詞なんてもう!
で、『トパーズ』、上記した様に二階堂ミホさん以外正規の役者の人がメインで全く出てなくって、しかもミホさんだって新人だったのでまともな演技出来ない。
しかし、オペラ歌っちゃう島田雅彦、ハードコアな加納典明、屍姦大好き三上寛…と言った客人方が意外に好演で(笑)。
映画ではも一つ活かされてなかった気もする問題の“トパーズ”(原作ではどうなの?)を主人公へと齎す占い師は草間弥生さんが演じてたり。この頃から殆ど変わらないのが凄い。
あと、尾崎や橘いずみさんのプロデュースで有名な須藤晃さんがほぼ本人の役で(笑)。
トパーズ求めてホテルの部屋に連れ込まれちゃったとこで、典明さんと関西弁の彼女がどえらい事になってましたが、あそこ、もっとじっくり見たかったわぁ~(苦笑)。
兎に角村上さんらしいフェティッシュな迄のSEX&DRUG描写の数々は、まぁ、観てる分には楽しい。
あと、16mm(の35mmブローアップ)特有のザラっとした質感の東京の夜の街並みは中々に見応えあったなぁ。
舞台は桜の季節でしたねぇ。
あの街の空気をもっともっと撮って欲しかったかな?
“Tokyo Decadence”と謳う割に、ちょっと個人に・部屋にフォーカスされ過ぎ感はあった。
後半のあの公園なんかもうちょっと巧く活かせれたんでは?との思いも。
まぁ、『トパーズ』、駄作だとのレッテルを貼りたがってた方々には、何とも目障りな作品、そして監督だったんだろうなぁーと。
そりゃ、ありりゃな面もない事はないけど、この時代の他の邦画の退屈さへ中指立ててる感は、今尚スリリングだ。
バブル復活云々ぬかしてる今この時代に『トパーズ』が復活するのには、それなりの理由あるのだろうけど、あの島田雅彦・加納典明・三上寛等が悠々と演じた空虚さで以って、その泡に冷や水掛けて洗い流したいとこだよね。
あっ、あのエンディング…結構好きです(笑)。


