君と歩く世界、舟を編む | Electronic Dolphin Eats Noise

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空論上の九龍城

『君と歩く世界』➡『舟を編む』
フィルム上映。
@ 塚口サンサン劇場シアター1
2013年6月。

待った(泣)、待たされた(涙)。待った甲斐があった(嗚咽)。

君と歩み、舟を編もう。
閉じた世界に指す光。
しかし、そこから踏み出した世界は、矢張り思いの外厳しい…
が、しかし、それでも尚!
を、こんな風に描いてくれた事に感謝。

是非二本立てでご覧下さい。


反芻して噛み締め中。
塚口サン入る前と、出た後で、雨が、雨の温度が違うんだよ。


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に関しては邦題のイメージとのギャップが云々なんて話もよく見掛けたけど、然程気にならなかったし、これはこれで良いんじゃない?
オディアール監督にしては間口広い作品だと思うし、騙されたとしても実りありだ。

去年のシネマ神戸での『預言者』&『真夜中のピアニスト』以来、ジャック・オディアール再考中ですが、近作どんどん良くなってない?
複雑な設定の軋みから滲み出るやっかいな想いを、何と鮮烈な画に焼き付けるのだろう…


や、何故格闘家なのか?何故調教師なのか?が、二転三転、更には二重三重に、効果的に物語に絡んでくるんだから唸るよ。

普通なら彼女が閉じた世界から歩み出して来たとこがピークな訳じゃない?

しかし、それは矢張り物語の世界での美譚でしかない。
現実にはそこからがスタートなのだ。
で、オディアールはそこからを確り描くのだ。


彼女が試合を仕切り出す辺りの興奮は只事でない!

あそこで流れる曲、無茶苦茶かっちょいーな!
うん、全編選曲のセンス抜群。

あの自然光を想いと寄り添わす様な撮影も素晴らしい。
あの事故後初めて泳ぐとこの煌めきはちょっとね…あんなんズルいわ!


彼女が闘う彼の姿見て、本能の生命力刺激されて表情が鮮やかに変わってくとこ好きだなぁ~

あとね“Ope”の描写がすんごい。
肉体の軋みで解れ放たれる悦び。


まぁ、オディアール監督だけあって残酷な側面も容赦無い訳ですが、そこもきっちり描いてるからこそ辿り着ける場所ってあるのだ。
この監督は信頼出来る。


で、『舟を編む

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の方は、若干ヴォリューム有り過ぎな面も無くもないけど、まぁ、サーヴィスだし、こんだけの後ろ盾ある訳だから色々大人の事情もあろう。


でも、幸福な興奮がゆったりと流れてる。


それぞれの役者が水を得た魚の如く、のびのびと演じてる様。
辞書作りの現場が、そのまんま、今のデジタル化の波に呑まれてる映画作りの現場とシンクロする様。
そして言葉と想い、それぞれが寄り添いつつも緩やかに変化してく様。


龍平の仕草が堪らなく“リアル”でさ、あの歩き方、躊躇って言葉出ないとこ、直ぐ謝るし(笑)。


かぐやが登場するとこは思わず息飲んだ。


ジョー小田切も千鶴はんも相変わらずの“だらしなさ”でサイコー!


そして、何より辞書作りの現場だよ。
ふむふむからほほぉー、そして壮絶…
思わず拍手しちゃいそうになった。

黒木華ちゃんの変化は、我々観客の視点そのものだ。


まぁ、しかし、あの早雲荘…魅力的だなぁ。
住みたい!


そんで、そんで、そんで、人生に一度ぐらいはあんな風に恋文したためたい。


『舟を編む』は、時間の流れ方が素晴らしいよね。
言葉や表情が柔らかくなったり、お酒呑める様になったり…
でも、変わらない部分もあって。
そこを辞書作りの、言葉の変化と普遍性に絡めてて唸る。

そうだな、何ともグッと来るのがどんなに親密になっても緊張感あるとこだな。
だってマジメとかぐや、結婚して何年も経ってんのに敬語で喋ってたよ(笑)。
あと、よく互いにありがとうを言うよね。
親密さと馴れ合いの線引きとかよく考える

映画内結婚の理想は『舟を編む』で決定だな。