ソナチネ、最も危険な遊戯。 | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

関西映画館界隈のオルタナ劇場“塚口サンサン劇場シアター1”の思い出。


『ソナチネ』

2012年11月、塚口サンサン劇場で鑑賞した時の感想呟き纏め。


フィルム上映@塚口サンサン劇場!!!


今年に入ってからもWOWOWで放送してたの見てて、その時点でもこれは破格の傑作であると確信していたものの、改めてフィルムで対峙すると、そんな自分の中での期待値を軽々と突き破る、最早カテゴリー不能の映画の皮を辛うじて残している化け物であり、ミラクルである。

{98631B7F-EE61-409F-A0D1-18237CA4CD52:01}

久石さんのあの音に、あの魚のヴィジュアル…そして題字。からの麻雀屋のシーンで、もうピークだもんな。


普通なら描かない処を延々追い掛け、普通なら描くべき処を端折る。
説明的な編集処か、(通常なら)心地良いであろう繋ぎすらしないし。
台詞も少ないわ、聞き取りにくいわ…
なのに、なのに、なのに、一切ダレないし、一気に引き込む。
なんて、抜群の面白さ!!!

あのスナックでのドンパチを経ての朝焼けの絶妙の朱色からの、一転の鮮やかな蒼さ!

あれはフィルムだけの特権だよなー
闇と日光、夜と月光のあのコントラストもフィルムだからこそ映える。
電気ない小屋の昼間でもの暗さを突き破る沖縄の強烈な陽射し!

前半のヤクザの抗争の殺伐さが一回目のピーク迎える件のスナックのシーンからの、あの鮮やかな切り替わり、素晴らしいな!

あそこから沖縄独特の時間の感覚が欠落したかの様な中盤は、前半の様にバンバン人は死なないのに、死の臭いは濃密になる…

中盤のあの海辺での、永遠かと錯覚する(死亡)遊戯…凄まじい…

あんなのって…


勝村さんと寺島さんの遣り取りがまた面白いんだよね。
ヒリヒリした中(だからこそ)浮かび上がるユーモア、育まれる友情(涙)。

大杉さんの立ち位置は美味しい。
そして、武さん、ひたすら台詞少ない訳ですが、その少ない台詞の殆どが痺れる程の名言なのだ!
幾分形骸化した近作の“バカヤロー”もここでは未だ未だ効果的。
近作(ってかまんまアウトレイジ)でのバカヤロー!は本気のバカヤロー!だもんね。

この頃は照れ混じりの、愛情表現。
あったかい。

それと、とても印象的だった国舞亜矢さん。
あの濃密な死の臭い漂う沖縄の青空の下、伸びやかな生命力を咲かせてくれてましたが、調べてみたら活動期間短かった様ですね。残念。
因みに武さん主演の『教祖誕生』にも出演してるとか(憶えてない)。


『ソナチネ』の不気味なまでの心地良さは、緊張と緩和の独特のグルーヴが生む中毒と麻痺にあるんだな。
普通に映画勉強して来た人じゃとてもじゃないけど怖くて出来ない様な、あの間とか、スカしとか、繰り返しだったり、行き過ぎた遊び…


あと、たまに挟み込まれる笑みが、表面的にはさりげないのに、ヴァリエーションが豊富で唸る。悉く深いよね。

笑わすとこは確りと本日のお客さん達も笑ってたのもちょっと鳥肌。


いや、まぁ、凄いわ、これ。
一個一個のシーン語って行きたいわ。


和製アクション繋がりのオマケ。

『最も危険な遊戯』

2013年7月、塚口サンサン劇場で鑑賞した時の感想呟き纏め。


松田優作と言うオンリーワンな存在が、
70年代の日本の闇を、村上透監督と共謀して暴き・暴れる、至高の“遊戯”シリーズ一作目。
久々に観たなぁー、やっぱおもろいなぁー、今じゃこんなん作れないよなぁー
猥雑なのにしなやか、彼の身体性に酔う。

松田優作演じる殺し屋“鳴海”のキャラ造形も今じゃあり得なくってさ、あの時代が羨ましいやら、呆れてしまうやら(苦笑)のダーティさ。

ちとやり過ぎ。
頭とお尻でちょっとコミカルな面見せてくれるのが救いか。

アクション映画としては兎に角凄まじい迫力。

あの生身での車の追跡劇(!)とか、法律度外視な銃撃戦とか、やっぱ劇場×フィルムだとリアリティの目盛りがトチ狂って燃える。