宇宙人ポール | Electronic Dolphin Eats Noise

Electronic Dolphin Eats Noise

空論上の九龍城

Evolve This!

宇宙人ポール(サイモン・ペッグ、ニック・フロスト出演) [DVD]/出演者不明


昨年至る処でベストの声が上がっていた『宇宙人ポール』。
これが、もうすんばらしいの何のって!
どっからどう攻めても“お勧め”の言葉しか見つかんないよ。

“エリア51”やら“ロズウェル”なんてアメリカの有名なUFO&宇宙人観光スポット(?)を訪れたオタッキーな英国人2人組が、実際に宇宙人に遭遇してしまい起こる珍道中(と言うには余りにエキサイティングではあるけれど・・・)。と、書くとベタな展開を想像しちゃいますが、実際殆どその通りである。が、しかし、本作がそれでも面白いのは、ベタな展開を臆面無く徹底して愛情たっぷりに突っ切ってくれるからである。
もうね、(宇宙人物SF)映画への深~い愛が、ここまでの最大公倍数な笑いに転化して行く様は感動的ですらある。

当然『ET』であったり『未知との遭遇』、『Xファイル』等々様々なその手の作品からの引用に溢れているんだけれど、それが厭味に機能せず、一般常識としてこちらも携えてたりするんだから、やっぱハリウッドってのはそれだけで存在価値が高い。邦画ではそんなの培われて来なかったもんなー

さて、本作。
所謂純粋なハリウッド映画ではなく、内実はイギリス映画の色が強い。
主演&脚本コンビは今のイギリスのエンターティメント界に欠かせないサイモン・ペッグとニック・フロスト。(こちらも今や『スコット・ピルグリム vs. 邪悪な元カレ軍団』でハリウッドに進出した)エドガー・ライト監督と組んで『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ』を生んだコンビであり、これらの作品を並べただけでも、今の世界の笑いの先頭を彼らが突っ走ってるのは間違いないと言える。
今回組んだ監督はグレッグ・モットーラ。『スーパーバッド 童貞ウォーズ』や『アドベンチャーランドへようこそ』で注目を集めた俊英ですな。サイモン&ニックの生むクローズドな世界観をマクロに展開してく様はお見事。

ブラックなとこも、お下劣なとこもあるけれど、そんなとこまで愛しちゃえる程に何とも言えぬ愛おしさを持った本作。
突っ込んでみると結構奥深い部分(宗教的・哲学的側面やオタク文化に纏わるエピソードetc.)もあるし(苦笑)。
後半ポールが誰よりも人間臭く見えてくる辺りでは泣かせたりも。

ここ日本ではこの手の笑いが苦戦するのは常でありますが、まぁ、騙されたと思って劇場に足を運び下さいませ。