香港から瞬く間に世界の若者の心を鷲掴みにした青春映画の金字塔。
メイド・イン・ホンコン [DVD]/サム・リー,ネイキー・イム,ウェンバース・リー
監督は勿論フルーツ・チャン!
1994年身内から集めた僅かな資金を元手に1996年より5人のスタッフで撮影を始めたというエピソードに驚きますが、主演のサム・リーを撮影中の街中でスケボーしてたところをスカウトしたってのが矢張り凄い!
サム・リー演じる取り立て屋チャウと彼が面倒を見ている知恵遅れのイジメられっ子ロン。彼らは取り立て先で出会った少女ペンとひょんな事から行動を共にするようになります。そこにロンが遭遇したある少女の自殺現場で拾った遺書が絡み、その自殺してしまった少女サンの意思に導かれる様に3人の運命の歯車がガタガタと回転を早めて行くのです。
先の見えない独創的なストーリーテリングとメイン3人の瑞々しい演技、同時期のウォン・カーウァイが切り捨ててしまった香港の街並みの暗部の息遣い、そこで暮らす人々の力強さetc.
これこそ私達が求めていた青春劇だ!と興奮したものでした。
夜毎夢精し続けるチャウやペンの暮らす古い高層マンション、そして時折インサートされる屋上で戯れるサン。1つ1つ映し出されたその画の鮮烈さ!特に山沿いの墓地でのあらゆるものから解放された3人の清々しい顔はあまりに美しい。
あとピストルを手にしたチャウの興奮が画面から溢れる後半も凄い!
ラストはあまりに切ないですが3人の生き様は確りと目に胸に刻まれております。
主演のサム・リーはこの後あっという間にスターダムの階段を登り(日本では『ピンポン』への出演がありました)、監督のフルーツ・チャンは作品を重ねる毎に凄まじい才気を増長させております。
この作品と続く『花火降る夏』『リトル・チュン』は香港返還3部作と括られ、微妙なリンクを見せております。後にいつか使う機会があるだろうと返還時の花火等の映像を撮り貯めてて、実際3作で使用してるのだから本当頭が下がります。