アメリカで恵まれない家庭の子どもたちに、幼児期に教育を与えたら成長してからどんな影響があるかを調べた研究があります。
未就学の幼児に主に非認知的能力を高める働きかけをしました。
その結果IQの伸びもありましたが顕著ではありませんでした。
ところが14歳時点では就学前教育を受けなかった子どもに比べて、学校に行っている率が高く、しかも学力テストの成績も良かったのです。
そして40歳時点では学歴が高く持ち家率も高い、そして犯罪率が低く生活保護受給率も統計的に有意で低かったのです。
幼児期に社会性を身に着け情動を安定させることは、成人してからのソーシャルスキルの基礎となり、より良い人生を送ることを助けるのです。
ですから、幼児期には先取り教育をするよりもまず、情緒の安定とソーシャルスキルを身につけることを優先するべきではないでしょうか。
自分を愛せない人は他人を愛せないので、まずは自分を好きでいること。
そのためには、幼児期に無条件の愛を与えてやりましょう。
子どもに対して、あなたの存在自体を受け入れて愛していると示すのです。
赤ちゃん時代にはたやすいことですよね。
何もしなくても可愛いですから。
情緒を安定させた上でソーシャルスキルを磨ける遊びをさせましょう。
一例をあげると次のようなもの。
好奇心…子どもが興味を持ったものをどんどん広げてやる。
協調性…助け合わないと成功しない遊びをする。(例 風船を落とさないように交代で打つ。あやとり。)
忍耐力・粘り強さ…じっくり取り組む遊びをする。(例 ジグソーパズル)子どもが集中しているときは邪魔をしない。
ごっこ遊び…ロールプレイング(役割を演じる)によって他人の立場がわかる。
これらのことは、わざわざ取り組まなくても日常の暮らしの中で機会をとらえて働きかけていけばよいと思います。
こうした土台ができてくると、認知機能を伸ばす働きかけも効果的にできるようになるはずです。(羊)