勉強ができる子に育てるには? | e-子育て.comのスタッフブログ~子育て、教育のヒントをお届け~

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長年小学生に学習指導した経験を皆さんにお伝えしたくて、小学生の勉強の悩みや家庭学習、集中力・やる気スイッチの入れ方等書いています。
ブログの内容を実践して子ども2人が東大卒業しました。

■ほったらかしで勉強できる子に育つことはない?

数年前に、インターネット上のwebマガジンから「勉強ができる子どもと、その家庭」についての取材がありました。

いわゆる「できる子」の性質等と、育った家庭環境や保護者からの働きかけに何か共通点はないですかという趣旨のインタビューです。

それを機会に考えてみたことを述べてみたいと思います。

いろいろな子どもと接していると、よく勉強ができる子と反対に勉強に苦労している子、そうして特別できるということはないけれど、遅れているわけでもない普通の子がいます。

もちろん、きっちり3つにわかれるわけではなくて、七色の虹のように両極の間にさまざまに散らばっています。

中学受験の進学教室でトップのクラスはできる子の集まりですが、それはほんの一部。

大部分は普通の子でも、勉強の進め方ではなんらかの苦労をしているはずです。

これが大学受験であれば、受験生も自分のことだという認識ができ、勉強しなくてはいけないという意識を持ちます。

ところが、中学受験生は小学生ですから、受験に対して切実感がありません。

「どうして必死にやななくちゃいけないのか?」「合格できなくても何が不都合なのか?」がリアルに感じられないでしょう。

だから、なかなか勉強のスイッチが入らないのです。

『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル)という本があります。

 

大人向けに書かれた自分の行動を変えるための心理学に基づいた方法を教えてくれる本です。

その中には、「すべきことを後回しにしてしまう」「やってはいけないことを止められない」など、大人が自分の行動をうまくコントロール出来ないで悩んでいる課題が列挙されています。

大人でさえそれですから、小学生をほったらかしにしておいて、自分から勉強するようになることは、あまり期待できません。

長年子どもの勉強に関わってきて常に感じるのは、勉強をすることが当たり前だと思える子に育ててしまうのが、一番の早道だということです。

そのためには、勉強だけとは限りませんが、生活の基本的習慣をつくりあげてしまうことです。

■基本的習慣を作れば勉強は後からついてくる

基本的習慣とは何でしょうか。それは毎日の行動におけるタイムテーブルが、ほぼ定まっていることです。

だいたい同じ時間に起きて、食事の時間もほぼ一定で、寝る時間も決まっている。

そうした生活ができていれば、家庭学習の時間も固定することができます。

逆に言えば、家庭学習の時間が固定できるように、デイリースケジュールを決めれば良いのです。

夕方の時間帯に塾や習い事があって、曜日によって家庭学習ができない日があるなら、朝に学習時間を持ってきてもよいでしょう。

起床後に顔を洗ったり、就寝前の歯磨きのように、しないと居心地が悪いと感じるように、学習習慣ができれば理想的です。

できたら、受験勉強を始める以前、小1の頃からやっておくと習慣化が容易です。

親に反発する前の素直な時期ならば、最初は言われたようにやってくれるので。

繰り返しているだけで習慣づけられます。

もう一つ。

勉強できる子はセルフコントロールする力が高いのです。

欲望を抑えこむのではなくて、上手に折り合いをつけられます。

普通の子どもなら、自分が勉強している時に兄弟姉妹が何か楽しそうなことを始めたら、そちらに気を取られて勉強がはかどらなくなります。

でも、できる子は「いまはこちらを済ませるのが先決」と、早く終わらせて、その後みんなに加わります。

快楽への誘惑があっても、それをやり過ごし、先送りする術を知っているのです。

そのように育てるには、日常生活において子どもの欲求に直ぐに答えていてはダメです。

 

「1分待ってくれたらやってあげる」のように、ちょっとした待つ経験をさせて、「待っててくれて偉いね」とそれを強化してやります。

ただし、幼い頃には1時間も半日も先送りすると、「やってくれなかった」となってしまうので、辛抱する練習にはならないので気をつけましょう。

ちょっとした欲望のトリガーに引っかからなくなれば、無駄なことをしなくなり、時間を効率的に使えるようになります。

勉強の問題集を本棚から出そうとして、近くにあった物語の本を手にとって読み出すようなことはしません。

子どもには誘惑が多く、それに引き寄せられがちですから。


勉強が習慣化されて、机に向かうことが苦でなくなり、楽しいことへの誘惑に負けなければ、自然と勉強できる子になるでしょう。

「勉強しなさい」と言わずに済むのです。

そのために、普段の生活を見なおして、子どもへの接し方を少し変えてみませんか?(羊)