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長年小学生に学習指導した経験を皆さんにお伝えしたくて、小学生の勉強の悩みや家庭学習、集中力・やる気スイッチの入れ方等書いています。
ブログの内容を実践して子ども2人が東大卒業しました。

お子さんと社会の出来事について話していますか?

 

この記事は何年か前に、他の媒体に掲載するために依頼されたものですが、リライトしてUPします。

私立中学受験の受験対策として、秋ごろから時事問題の参考書や問題集が発売され、今年話題になった出来事を総ざらいし始めます。

なぜ私立中学がこうした時事問題を入試で取り上げるのでしょうか。

 

クイズ番組のように、時事問題についての知識量を知りたいのではなくて、中学生になる生徒には、自分が暮らす社会についての関心を持って、自分の問題としてとらえて欲しいからだと思います。

何も、大人のような議論ができる必要はないのです。

 

世の中に大きな影響を与える出来事を知って、子どもなりの問題意識や解決方法を考えてみる、そうした態度を備えた、次世代を担う人を育てたいのです。

これについて、気になる調査があったので、ご紹介します。

平成25年度 小学生・中学生の意識に関する調査がそれで、内閣府が平成26年7月に発表した調査です。その中にこんな質問がありました。

Q.家族でお喋りをすることが
よくある 86.8%
ない   1.9%

ほとんどの子どもが家族とよく会話していることがわかります。では、肝心の会話の中身はいったいどのようなものでしょうか?

Q.家族で社会の出来事について話すこと
よくある 24.2% 特に小学生の男子16.1%(女子27.0%)
ない   25.3%

社会の出来事についてよく話すのは4人に1人しかおらず、特に小学生の男子については6人に1人弱とさらに低い割合です。

 

やはり学校で起きたこと、友達のことなど、身近な話題が中心なのだと思われます。

私も小学生と接していて、ニュースで大きく取り上げられた話題を子どもたちに振ることがありますが、ワイドショーで大騒ぎしている話題でも「よく知らない」と答える生徒は多いのです。

中学受験するような子どもは時事問題にも関心が高いだろうと思うのですが、出来る生徒はその通りでも、言われた勉強をサラリーマンのようにこなしている生徒は、自分からニュースを積極的に見ようとはしないようです。

また、ニュースを見ただけでは、そこで使われる言葉が難しいものばかりで、子どもには内容が伝わらないということもあります。

 

その出来事の社会的背景を知らないから、理解できないことも多いですし。

そこで、親子で食卓を囲みながら最近のニュースについて語り合うのはいかがでしょうか。

 

できればお父さんにもがんばって欲しいです。

 

日常的に子どもと接する時間が少ないなら、ここはポイントの稼ぎ所です。

 

気をつけて欲しいのは「そんなことも知らないのか」と説教臭くなることです。

 

子どもにわかりやすいように、噛み砕いて話をしてやってください。

日常的に「この事件はどう思う?」と子どもに働きかけていくと、良いのではないでしょうか。

時事問題が中学入試に出題される理由に戻ると、これからの世の中を引っ張っていく人材にとって、社会に対する関心を持ち続けるのは必要なことです。

 

一部の大人びた子を除けば、自分の家と学校と習い事や遊び場が子どもの生活圏で関心のある場です。

 

時間軸も、子どもは今を中心に生きています。

加えて、最近の子どもはテレビは好きなアニメを見て、それ以外はYouTubeの面白い動画をよく見ているようです。

 

これでは、言葉の力もつかないし、想像力も伸ばせません。

子どもの目を、大きく広がっている自分を取り巻く外界に向けさせてやるのは、身近にいる大人の仕事ではないでしょうか。

 

テレビのニュースだけではなく、時には現物を見るというチャンスも作ってやりたいもの。

 

一緒にお出かけしてくれる小学生の内に、そうしたところへ連れて行っておくと、後々どこかで役に立ちます。

博物館や歴史資料館のようなところで見たものが、勉強で出てきた時にピピッとつながり、知識が肉となるのです。

それが、子どもに社会への関心を持たせる一つの方法かなと思います。(羊)