小学生のお子さんの成績が下がったり、低迷していると学習塾に入れる親御さんはとても多いです。
「中学受験するから進学塾に行く」という選択は有りだと思いますが、学校の成績を上げるために、個別指導塾や補習塾に行ってもなかなか効果はみられません。
子羊4号が塾講師をしていた時に、成績が上がらないからというので他塾から転塾してきて、同じ理由でまた転塾していった生徒の話をしていました。
このように、いくつもの塾を渡り歩くツワモノがいます。通称「渡り鳥」。
羊自身も、塾や家庭教師の経験で色々な生徒の指導をしてきましたが、成績が上向かない生徒の最大の問題点は「やる気」です。
「やる気スイッチ君のはどこにあるんだろう」というCMがありましたが、ポイントは正にそこなのです。
本人はその気がないのに、親に言われて塾に通ったり、家庭教師と勉強しても効果がないのは、どなたにもお分かりになるでしょう。
この分かりきったことなのに、「塾に行けば変わるんじゃないか」という淡い期待を持ってしまうのが親心。
でも、子ども自身が自分を変えようと思わない限り現状は変わりません。
コーチングを学んだり、子どもが納得できるような話をして、彼らの心を動かさないとやる気スイッチはONにならないのです。
やってしまいがちなのは、大人の論理で子どもを説得しようとすること。
「勉強しないと将来やりたい仕事につけないぞ」などと、将来について持ち出しても、子どもの時間感覚では今日明日くらいしか見ていないので、そんな先のことを言われてもピンときません。
「勉強したら1時間ゲームをしてもいいぞ」というご褒美も、ご褒美がなければやらないし、やる気があるわけではないので、内容が身につかないためあまり効果がありません。
どうしたらやる気スイッチを押せるのでしょうか?
まずは、やる気の出ない原因を探りましょう。
宿題に時間がかかる子はたくさんいます。
そういう子は、たいてい途中で別のことに気を取られて手元がおろそかになっています。
反対に、チャチャッと終わらせてしまう子は、短時間で集中してやります。
この違いは、その子にとってその課題がしんどいものであるか、つまらないものであるかです。
できる子は、計算も速いし漢字も何も見ないで書けるから、算数プリントも漢字の書き取りも苦にならないのです。
計算に時間がかかり、漢字も見ながら書かないと書けない子は、やる前から「いやだ」という気持ちが先にたってしまうのです。
計算というのは、一桁の足し算から積み上げていくものなので、どこかでスキルが不十分のまま先に進んでしまうと、苦手となってしまいます。
繰り上がりの足し算か、繰り下がりの引き算か、かけ算九九が不確かなのかなど確かめてみる必要があります。
漢字は、使わないと忘れるので、毎日10文字でいいから、小テストのようなプリントを1枚やるだけでも違います。
同じプリントを繰り返しやるのでも良いのです。
とにかく、苦手をつぶすことが一番です。
やる気がなくても「勉強なんかできなくてもいい!」と言い切れるほど強い意志を示す子はまれですから、これらの課題を解決できれば、いやいやでなくやってくれるでしょう。
もうひとつ、勉強以外のことに注意が向いてしまう環境があれば改善しておきます。
机の上にいたずらできるものが置いてあるのは、手持ち無沙汰だと何かをいじりだす男の子には、気をそらせる絶好のターゲットです。
兄弟姉妹がそばでテレビを見ていたら、目の前の課題に集中できません。
そうしたものをまずは排除するところからはじめましょう。(羊)