今の子どもたちを見ていると、教えられることに慣れきってしまっているのが気になります。
「教えてもらってな~い」「どうやるの?」「いくつ?答え教えて!」
ちょっと難しい問題に当たるとこのように発します。
家庭でお母さんお父さんに勉強を見てもらっている子も増えています。
でも、たいていは、やり方を指導してもらっているようです。
「前回のテストの直しで、やり方がわからない問題があったので、教えてください」
そう言って、直しのテストを持ってくる子がいます。
でも、羊は解法をそのまま手引きすることはしません。
自分の頭を使って、「ああ、そうか」と納得した瞬間が、脳のシナプスをつなげて、賢くなるチャンスだと思うからです。
ところで、良い先生とはどのような先生でしょうか。
羊は、教え導く先生よりも、問題解決につながる良い質問する先生だと思います。
小学生の問題の読み方なんて、実に浅いものですから、解く前にちゃんと理解できている子は多くありません。
見落としをしたり、思い込みや勘違い(勝手な前提)をしていることに気づかせる質問を投げかけてやるのです。
何もしてやらなければ、まったく問題が手につかなかった子が、適切な質問をしてやることで、再び鉛筆をにぎって問題に取り組み始めます。
要するに、取り付く島がなかったからやらなかっただけなのです。
計算間違いをしているときにも、「かけ算したのに、元の数よりも小さくなることはあるのかな?」と言うことがあります。
すると、小数点の打ち間違いに気づくのです。
他にも、子どもの計算過程を見ながら、「この計算は、何を出したの?」と計算の意味を尋ねることもよくやります。
私自身が技術畑出身なので、常に計算の物理的意味を意識していた習慣からです。
質問を続けていくと、やがて「あ、わかった」と、答えにたどり着く子が出てきます。
教えられるのが当たり前の子の前には、教えるのが当たり前の大人がいるのです。
教えるのをやめて、良い質問をするようにしませんか?(羊)
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