子どもは本来集中力があるものです。
それなのに、勉強に集中できないという悩みを持つお父さん・お母さんが多いのはなぜでしょうか。
子どもに良いというものはなんでもやらせてやろうという親心が裏目に出ているような気がするのです。
子どもの適性を見極めるために、あれこれ挑戦するのはかまわないのです。
でも、始めたからには途中でやめることは良くないことだと、どんどん習い事を増やす一方になってしまってませんか?
先日、卓球の福原愛選手の特集番組がありました。
彼女は卓球一筋でした。
でも、それは一直線に進んできたのではなく、幼児期であっても壁にあたりながら、つまずきながら進んだものです。
後5本できたら終わりにするという約束を守れなくなりそうで、「それならもう終わりでいいよ」とお母さんが言っても、「やめるのいやだ、やる~!」と大泣きする。
でも、大泣きしているかぎりはやれない。
「やめる」「やる」の繰り返し…。
超一流選手とは比べようもありませんが、羊家の子羊も4,5歳くらいの頃に似やようなことがありました。
その頃ピアノではソナチネを弾いていましたが、録音するレベルになかなか仕上がらない。
だから練習時間も長くなるし、「通して止まらずに弾けたら終わりにしよう」と言ってやっても、同じところで何度も止まる。
こうなると先の愛ちゃんじゃないですが、「もういいから、やめよう」「やだ、やめない」の言い合いになって、大泣きしていました。
でも、そういう壁を乗り越えないと成長できなかったと今は思います。
この壁に直面するには、一定レベル以上の練習を毎日するという日々があったからで、適当な練習をしていたのでは、最初からノーミスで弾くことなど考えられなかったでしょう。
毎日練習するには、他の習い事はやる暇がありません。
初めた頃に1日10分だった練習が、やがて2時間になりました。
その結果として集中力が身につきました。
時間的な面だけでなく、「できるまでやる」という姿勢も、勉強に生かされると思います。
子どもに集中力をつけたければ、集中する経験を積ませることです。
スポーツでも芸術でもかまわないので、集中できるものを見つけて、我を忘れて時間が経ってしまったという毎日を過ごしていたら、自ずと集中力が養われるものです。
好きなものなら続けることが苦にならないので、それを見つける手助けをしてやるのが大人の役目だと思います。
合わないと思ったものは潔くやめる、選択と集中が鍵です。(羊)