ヤンソンスとブッフビンターとウィーンフィルの素敵なコンサートから24時間経って、
今日はブロンフマンのソロリサイタル。
ドイツで一緒だった同僚ピアニスト(そう言えと言われている)曰く、自分の中でこれまで聴いたライブの演奏会で一番に挙がるのが、ブロンフマンとドイツの某オケとのプロコフィエフ、ピアノコンチェルト2番。
その時の音源を少しだけ聴かせてもらうことがあったのですが、音源にもかかわらず会場が興奮状態なのがわんわん伝わってきて、お客さんが楽章間で拍手をしちゃいけないいけないと思いながらも、拍手せざるをえないような状態。
生で聴いてみたいなあ・・・と思いつつ、ある日楽友協会レジで見上げた先が
‘ブロンフマンソロリサイタル‘。
しかも、
‘ブラームス ソナタ3番‘‘プロコフィエフ ソナタ8番‘
・・・とりあえずわくわく、行ってきました。
ブラームスで始まり、リストのエチュードを三曲弾いて休憩。後半がプロコフィエフ。
著名なピアニストの方々、やはりウィーンという土地は特別で、ここに来るとブラームスやベートーヴェンをプログラミングしたがっている気がします。しかしウィーンの聴衆はここに関して、とにかく手厳しい。
そこがうまくかみ合うことってなかなかないなといつも残念な感じなのですが、ブロンフマン、今日のプログラミングはとにかく絶妙でした。
ブラームスにしては少しスケールが小さかったかもしれないけれど、始めに彼の構造美をしっかりと見せつけてくれて納得させられ、そこからはリスト、そして十八番のプロコフィエフに流れ込み試合終了。
・・・
ブロンフマンの勝利!!! 。
だいたい、ロシアン(彼はロシア→イスラエル→今はアメリカ国籍となっているらしいが。)の弾くロシア物に誰がかなうというのか。そこから出てくるもの全てをただただ受け止めているうちに、所謂圧倒されてるうちに全て終わってしまった感じでした。
アンコールはショパンとリストのエチュードを一曲ずつ。
これも彼のスタイルを持ってして、すばらしくないわけがなく。
一つの芸術を見せていただき、ありがとうございました。と、深く頭を下げに行きたいような感じでした。
今日も変らず立ち見席を買っていたのに、お客さんの入りが振るわなかったらしく、開演前に係りの人が指定席券を配りにきて、なんとまあ音響も視界もすばらしい席を頂き堪能してきました。こんなことあるんだな。。
昨日のブッフビンタ―、ヤンソンス、ウィーンフィルのブラームスの1番コンチェルト、ラフマニノフの交響的舞曲もとにかく素晴らしく、あちらは顔まで真っ赤になってありがとうありがとうとメガホンで叫びたいような感動でしたが、あれから一夜あけてブロンフマン。立て続けに素敵なコンサートへ行ったことが信じられないみたいで、昨夜のコンサートは一カ月くらい前だったような変な感覚に陥っています。
ああ、楽しかった。
最近、チェコ人の弾くチェコ物にもかなわないなと思うことがあったのですが、じゃあ日本人がどうクラシック音楽に向かえばいいと言うのか。考えに考えつつも、とにかく協調性をぶっ壊す何かがないと土俵にすら立てないなと思いました。
明日から私も特にブラームス、はりきってがんばります。
P.S.
・・・しかしブロンフマン、えらいお太りになられたような…
やっぱりピアニスト、恰幅のいい方がいい音がすっと出てくるように思います。