こちらにいて思う事 | ERI`sLeaf

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ピアニスト・黒田映李のBlogです。

北日本大震災から二週間余り。

こちらオーストリアでの報道は原発について色濃く続いています。


地震、津波、原発、節電とメディアは流れてきていますが、今も避難生活を送っている方々がいて、現地で捜索されている方々がいて、話題や風潮からだけでない認識を持っておくべきだと、特にこちらの報道を見ていて自覚します。

そう思いながらも、今日はこちらにいて思う事を一つ、書いてみようと思います。



ピアノのレッスンにいっても教授の口からでてくるのは原発問題。

例えば海水。アメリカ学者の話によると、穴が空いているかもしれないところに注入したら、塩がよくない化学反応を更に引き起こすとされているのに日本は初めの対処からまちがっていただとか、そもそも津波がある国で海側に冷却装置があるなんてありえない、それについて議論はされていたのかとか、情報が遅いし隠ぺいされているとか、80キロ圏内の人は逃げろというアメリカが正しいとか・・・ とにかくヨーロッパ人、個人個人が真剣に情報収集し、強く意見を持っています。


原発報道と共に目下高まるのは、

「化学技術の進んだ日本でこんな問題になりかねる、そんなものを私たちヨーロッパは保持せず、すべて自然からのエネルギー源でまかなうようにすべきだ!今あるものは廃炉だ!!」

そんな原発アンチ運動です。




個人的に、きっと偏った情報収集からですが、
いろんなことに意味を見出す私の性質から思ったことを書いていいならば・・・


今回の災害。

地球が生まれ、自然が生まれ、そこから生まれた人間、人間の生み出した化学、化学兵器。最先端の日本が自然被害に遭い、もはや人災もかかわってきている原発問題が起こり、世界が考える。

この先の打開策について、地球が地球であるために・・ 究極の選択を自然から、宇宙から人間界へつきつけられているように思えてなりません。



原発は賛否両論あり目下どうしようもないものとなっているけれど、例えばこの先も、島国日本では他の方法がない、続けるほかないという答えがでるかもしれない。それでも、世界規模で考え、自然に対する負荷を少なくしていこうという動向に意味があるように思います。

もちろん将来的には100%、どこでも自然からのエネルギー循環が生みだせるようになるのが一番です。




日本のことについて触れてみます。

個人的に、いつも日本帰国の際感動するのは、暗くなってもガラス細工のような光が連なる夜景。24時間営業のコンビニ、週7日ほぼ営業の続くお店、サービスのよさです。



だってヨーロッパ、日曜日に空いているのは飲食店だけです。夜なんて8時から信号も灯らない街もざら(リンツもw)。

一般の人も会社は平均4時で終わって帰るし、そんな風に時間や休暇尊重なので
「それは私の管轄下じゃないもの」
なんて、サービスダイヤルにおいてもそんな態度が取れてしまうわけで、つまりサービスが悪いことがしょっちゅうです。


目下買占めが問題になっていますが、ヨーロッパでストックは当たり前。
家庭には冷蔵庫が二つあって、一つは冷凍食品や保存食の為に使われていたりします。

日曜はスーパーがお休みなのも小さな要因としてあるけれど・・・

少し不便でも自然溢れる郊外に住むのがちょっとしたステータス。畑をかりて自給自足を試みる、電車にのっているとそういう光景によく出会います。たとえば冬に作物が育たなくても、雪がどっさり積もって数日外にでられなくても耐えられるような、普段からそんな貯蓄量です。

それでも普段はそういった地方には市場が立ち、新鮮な野菜や卵、乳製品を購入できます。瓶や卵のパックは毎回持参だったりします。ちなみにスーパーも、レジ袋は有料、ほとんど持参。レジ打ちされたものを自分でせっせと袋に詰めます。




そんな地を知り6年目。

不便なという先入観は初めだけで、今は心地良く生活しています。

こちらにくると時間の流れをゆっくり感じ、自然と大きく深呼吸できる、人間ができる感覚になります。日本との往復を繰り返しているとどんどん大きく感じる、切り替わりポイントです。

サービスが悪いのも、この人はおおいに人間をやっているのだ・・・と、少なくても理解することを想像できます。w




いろんなことの最先端を生みだす日本。

こちらの人はその技術、勤勉さに深く感心を抱いています。
私も帰国の際は、その懐かしさや便利さを求めているのかもしれません。


でも、
それが当たり前でなくて大丈夫。


いま、日本にとって大きく生活スタイルを変えなければならないことは、ある意味自然にかえるということなのかもしれません。

日本では退化と捉えられるかもしれないけど、例えば節電生活、自然に基づいた生活に戻ることで供給量が減るならば、発電方法変更も考慮可能なのではないでしょうか。


...きっちり数値で判断できる理系の方々や経済学者からすると、なにあほな夢物語をつらつらと…っと思われるかもしれませんが。




自然との共存。
これからどういう方向へ向かっていくのか…


被災地の方々を思い

復興を祈り

できることを探しながら、


方向性が気になる最近です。




そして原発問題の最終章も・・・

客観的にしか携われないで、何も書けません。
個人の判断で、気をつけてとしか言えない。

でも何があっても、私は夏は帰国するつもりです。