細部に心を感じる名建築〜つくば国際会議場(設計:坂倉建築研究所) | Dynablog!

Dynablog!

ほのぼの・ふんわり・マニアック♪
読んでふわっとあったかくなってね~♪

ハロー、オバタリアン( ´ ▽ ` )ノ←敵2億人

先日、ガンサバイバーとして、
茨城はつくばで開催されたリレーフォーライフに行ってきました。
詳しくはこちら→リレーフォーライフin茨城

RFLの様子はまた今度ね!
その前に研究熱心で努力を惜しまないことで世界的に有名な私、
つくばで見ておきたい建築をまわってきましたYO!

つくば国際会議場(設計:坂倉建築研究所)

つくば国際会議場はその名の通り国際的な会議が行われる、
学術の都、つくばにふさわしい名建築です。

つくば国際会議場
大きな吹き抜けのロビーやガラスブロックを多用したファサードなど、
有名所はホームページでどうぞ。


今日は裏側から潜入したいと思います。
なぜって...探してたらたまたま裏口についたからじゃないわ!
裏側にどれだけ力が入っているかで、
作り手の心がわかるからよ!...そうよ!わかるからよ!(´Д` )ホントヨ


公園の中、緑に囲まれた中に建物は佇んでいます。


大きなガラス面のファサードで存在を消しているため、
建物のボリュームを感じることなく、奥ゆかしくも
ケヤキと一体に調和された表情は、とても美しいものでした。
まるで私のように。

私が最初に心を打たれたのは、建物周りの「犬走り」と呼ばれる部分。

御影石のバーナー仕上げと艶のある水磨きのボーダー。
ガラスのマリオンをきれいに割り込み、見事にデザインされています。
注目してほしいのは、建物側の御影石に挟まれた細い砂利のライン。

別に石で続けてもよいでしょうに、なぜここに砂利の溝を?

ジッと考えながら上を見上げ、わかった気がしました。

外壁は、上部のガラスブロック、下部の透明なガラス面で構成されます。
その上下の間に小さな水切りが水平に通っているのが見えますか?

そう。この水切りの先端がちょうど砂利の細いラインの位置なんです。

想像してください。

雨が降る。ガラス面に当たった雨は外壁をつたい下に流れます。
途中、先ほどの水切りで遮られ、水切りの先端から雨滴として
ポタポタ地面に落ちていきます。
その落ちる部分に砂利が敷かれているんです。

水滴の跳ねで外壁を汚さないようにひかれた砂利。
建物から庭へ、石敷きと両側の砂利のラインで
自然に繋いでいく要素にもなる。

外壁だけでなく、犬走りを歩く人まで想像して
設計されたんじゃないかなぁ。
そう自然に思えるほど、繊細で心を感じる空間でした。



中に入ります。息を飲んだのは、中から外を見た時でした。



「建築は外からどう見えるか。そして中から外がどう見えるか。
 その両面を考えなければならない。」


ガラス張りの近代的な建築なのに、この場所に立って公園側を見ると、
「和」の落ち着きがある。なんて心休まるんだろう。

この「和」の落ち着き、どこからくるんでしょう。
上の写真でガラスを分ける縦横の比率。見たことありませんか?
まるで、障子と欄間を開け放して庭を見てるみたいですよね?
...ここまで計算されてるんだとしたら、見事の一言です。


柱はコンクリート打放しにも関わらず、極め細やかな多角で
柔らかさすら感じます。

床のメインは水磨き仕上げ。ピカピカじゃない、ほどよいツヤがあり、
それが上品な印象を作っています。


吹き抜けの空間では、木漏れ日が優しく内部に降り注ぎます。
ここでも外部の緑が効いています。


内部のもうひとつの要素、陶板?かな。
このしっとりしたツヤもギラギラしてなくて、とても落ち着きました。

正直に言うと、他にいくつか著名な建築家の建物も見に行きましたが、
大作りで細部のディテールから心を感じるものは少なかったです。
雨を考えない、経年変化を考えない、使う人を考えない、
外部の環境との融和を考えない、水と風の通り道を考えない、
年を経るごとにみすぼらしくなる建物もありました
(´Д` )

そのなかでこの国際会議場、大きな吹き抜けや会議場、
裏側や外回りのディテールの極め細やかさ、
年を経るごとに良くなっている緑など外部環境との見事な融和、
なによりところどころに「和」のモデュールを感じる空間。

ジッと立っているとまだまだ発見できそうな、
素敵な建築でした。


外に出るとちょうどなんちゃらフェスタでお祭りが♡




というわけで、つくばの名作、ご紹介でした。
それではまたねー( ´ ▽ ` )ノ ハーミガケヨー