光の美術館 CLAVE GALERIE (設計:安藤忠雄) | Dynablog!

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ハローみなさま、ごぶさてぃあん( ´ ▽ ` )ノ
あなたのLED照明、Takioです。

さて、GWみなさん楽しみましたか?
あ、そう。それほど楽しんでない、と。なるほどなるほど。
あたしは奥さんと山梨まで日帰りドライブに行きました!←聞いてない

狙いはひとつ。

『光の美術館』ーCLAVE GALERIEー 設計:安藤忠雄

山梨は清春芸術村の敷地内に今年の4月10日にオープンしたばかりの
美術館。

『光の美術館』とは、自然光のみで作品を見せる、という、
美術館のコンセプトからつけられたのだろう。

クラーベ・ギャラリーの名の通り、
スペインの現代美術の作家、アントニ・クラーベの作品を展示している。


安藤さんは一般的にも「コンクリート打放し」と言われる
コンクリートを打設したままの仕上げで有名だ。

よく勘違いされるのは、コンクリート打放しとは
仕上げがない分、手抜きではないか、とか簡単ではないか、という誤解だ。

コンクリートは型枠と呼ばれるコンクリートの形を形勢する外枠の板と
コンクリート内部の鉄筋を先に組み込み、
最後にコンクリートをその中に流す。

そして、強度が出たら型枠をはずし、
通常は外部にはタイルなどの外装仕上げ工事や、
内部側には発泡ウレタンなどの断熱材、内壁としてボードを組み込み、
ビニルクロスやペンキなどで「化粧」を行う。

ところがコンクリート打放しは、型枠を外したら完成だ。
ごまかしがきかない。

コンクリートに空隙があれば終わりだし、
電気などの配管配線を組み忘れたらやり直しだ。
最も厳しいのは、コンクリートそのままで、
人の目に触れる仕上げとして美しく完成されなければならない。


安藤さんの建築を見に行くといつも驚かされるのは、
そのコンクリートの肌の美しさ、繊細さだ。

どうしたらこんなに美しいコンクリートを打てるのだろうか。

ところで、建物は直方体のコンクリートの箱に表裏細い二本のスリットと
建物の角を削り、天井面につなげたトップライトが開いている。
これが建物の採光のすべてだ。というより照明のすべてだ。

残念ながら内部は撮影禁止のため、本に掲載されていた写真をどうぞ♡


すごいでしょ?照明がないんです。窓からの光だけ。

晴れた日も雨の日も、その日の光で、時間で、刻々と表情を変えていく。
一度たりとも同じ環境の瞬間はない。

やや暗い中で作品を楽しむ人も、
強烈な光と影のコントラストとあわせて観る人もいる。

その時、その人だけの、二度とない作品を楽しむことができる、とも言える。


安藤さんの建築を見に行くと、いつも心に浮かぶ言葉が

「プリミティブ」

装飾もなければ、環境を整える断熱性能や
作品を守るために十分な性能を持つ設備などはない。

画家が自然光で絵を描いたであろう環境で
そのまま作品を観てもらいたい、という強烈なコンセプトが
まっすぐに建築に表わされてる。

それこそ、夏は暑く、冬は大変な寒さだと思う。
※特に冬は外に出る格好で作品を見るのではないだろうか。

でも、それこそが、本来の姿なのかもしれない。
観る人にも、作品にも「生き抜く力」を求める建築、
そんな感想を持ちました。


この建物の最も重要と思われる、光を取り入れる角の面。
この角の切り込みから、そのまま天井を切り裂くようにトップライトが
設置されている。

ところが敷地内のレストランで見た模型は、さらにすさまじかったww


これを見ると、当初は地面まで切り裂くような開口を考えていたのかも。
壁構造でさすがにこれは厳しいよね。

ただ、この模型を見て初めて、安藤さんが思い描いたコンセプトの一端が、
まさにこの鋭い切り込みのように、
グッと心に刺さってきたように思います。

とてもとても小さな規模の美術館。
部屋の構造も形状もシンプルです。
でも、とても強いインパクトを受けた素晴らしい建築でした。

今日はとりあえず、この建物のお話だけ。
それではまた(≧∇≦)ノシ

Takio