ALL BLUES 第18話「レコーディング」 | HMC

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練馬区で参加費100円のジャズ練習会を行なっています
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Sさんのライブは必ず客席から演奏をサプライズスタートすることで有名です。ライブ中のファンとの熱い交流も評価されています。「小遣い稼ぎのため」なんて言ったらファンが悲しみますよ。

客席からパフォーマンスを始めるのはドリフや笑点の真似、曲のサビで全く演奏せず客に歌わせるのは長渕剛とかミスチル、サザン、、、90年代のアーティストはみんなそんな感じだったろ?いまだにそういうのを求める層があって、オレは嫌々ながらもその求められてることを受け持っているだけだ。それでウケてるんだからいいだろ。

何でも真似なんですね。

それがジャズだからね。

そんなのはジャズとは言えないのではないでしょうか?ジャズとは、伝統に基づいた上での自由と独創性だと私は認識しています。

精神的にはそれで合っているが、音楽的に今の時代そんな綺麗事だけだったら、それはジャズじゃない。その、ジャズじゃないことをやって、ジャズのグラミー賞を取ったのがオレの1stアルバムだ。

ちょっと難しい話ですね。

簡単に言うと「アルバムは自分のために作った」だ。

と言うと?

アーティストは常にクリエイティブでないといけない。ライブをやりすぎると誰でもある意味クリエイティブさが消えてくるんだよ。やることが決まってきちゃったりするからね。そのバランスをオレはレコーディングで取ってるって訳。

そうなんですか。

だから、実はアルバムではライブ以上に好き勝手やってるし、熱い。そうは聴こえないだろ?「Hikarigaoka」で、オレはアルバムを通してDドリアンしか使ってないからな。シンプルにやるのが一番難しいんだ。ライブじゃそういうことはできない。曲芸的なことも求められる。当たり前だ。音楽はエンターテイメントであり、飽きられたら終わりだからな。

そうなんですね。

「Hikarigaoka」で、オレは単純な音階をCoolに提示することで友人達を煽った。それに奴等が応えてくれて、そもそも凄い実力の奴等なのに、更に実力以上の力を出してくれた。その結果がグラミー賞だ。まさかこんなに売れるとは思わなかったけどね(笑)

結局、お金の話ですか。

売り上げの半分はユニセフに募金している。

節税対策ですか。

そう思うなら思えばいい。オレとしてはやりたい音楽ができて、世界中の貧しい子供達はオレの募金で救われているのだから、誰に何を言われようが全く問題ない。やらない偽善よりやる偽善だ。銭ゲバと言われようが何でもやるぜ?アグネスもババァとはいえ結構いい女だったしな(笑)