OK。まず、世間の奴らはオレをYouTubeやテレビで見て「ライブに命をかけてる人」と思い込んでいる。
それはそうですよ。あの白熱したライブを見せらたら誰だって。
そこが誤解なんだ。オレの音楽活動は4trカセットMTRから始まった。当時の友達兼師匠みたいな奴に教えてもらってね。もちろん10代の頃からライブはやっていたよ。けど、ライブのために曲を作る→バンド内で熟成させる→チケットをさばこうとする→さばけない→出演者=客みたいなブッキングライブに出る→何も得るものはない→共演者との横の繋がりを大事にして、その人達のライブも見に行ったりする→何も得るものはない→ライブハウスからは「良かったですよ」また来月イベントありますから出演してください→ノルマ40枚→さばけない、、、みたいな悪循環だったんだ。
誰もが通る道ですね。
そんなくだらないことをやっているよりも、MTRで曲を作り、歌とか上物は知り合いに頼んでゲスト参加してもらう形が楽しくなってきたんだ。それをネットで配信したりね。固定バンドというのもオレの性に合わなかったしね。人間、ずっと一緒にいると嫌な面も見えてくるだろ?くっついたり離れたりを繰り返すのが一番楽なんだよ。
それはそうかもしれませんね。そういった活動をアマチュア時代にされていたということですね。
そうだ。だが、カセット、MD、HD MTRまでは良かった。これがPCベースでの作業になって挫折しちゃってね。
何でですか。
レイテンシーだよ。もちろんちゃんとしたPCを使えば良かったのかもしれない。だが、そういう余裕はなかった。「PCで簡単にできます」なんて言うが、実際には高品質オーディオインターフェイス、ハイスペックPC、大容量UPS、、、ちゃんとやろうと思ったら結構音楽以外の知識も要るし金もかかるんだよ。それで諦めて数年はギターをやめてたな。ちょうど子供も生まれた頃だったし。
その反動で、今度はジャズに向かった訳ですか。
反動ってほどのものじゃない。オレにとって音楽はとにかく遊びなんだ。それも最高のね。世界中の誰とだって一緒にプレイできる、若くても年寄りでも楽しく一緒にプレイできる、、、そんな遊び他にあるか?スポーツなんて若い頃しかできないだろ?
近年ではお年を召した方でもジョギングやウォーキングを楽しんでいらっしゃいます。
だったらお前さんはジョギングでもやってればいいだろう。オレはジョギングなんかより、リズム、メロディ、ハーモニーに取り憑かれているんだ。今更自分を変えられないし、変えるつもりもない。
話を戻しましょう。Sさんにとって「ライブ」とは?一言で言うとどういったものでしょうか。
悪いけど、小遣い稼ぎでしかないな。