HMC連続ウェブ小説第2話「ひろみの場合」 | HMC

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ひろみはね〜【寂しがり屋】これに尽きるね。

とてもそんな風には見えませんが。カッコいい曲、派手なパフォーマンス、楽しそうな表情、、、彼女のプレイを見ると元気をもらえます。

いや〜、分かってないね(笑)彼女がなんで音楽をやっているかというと、金のためでも名声のためでもない。【褒められたいから】なんだよ。だからあんなに変な変拍子使って変なメロディ使って、サウンドを埋め尽くして、難しそうなことを楽しそうな顔して弾くギャップみたいなのを得意げに見せびらかして、私天才ですけどプライベートでは結構親しみやすい人なんですよ、みたいな、とにかくお母さんに褒められたいんだよね。可哀想な奴だよ、自信がないんだよね。ジャズっていうのはさ、女の子を部屋に連れ込んだときに良いムードを作るためにあるんだよ。もしもキミが彼女に真剣に愛を伝えたい時(笑)なんかはMy Funny Valentineでも流しておけばいい。どうせ歌詞の意味なんか分からないんだし、でも、ムードは最高だろ?最初はIf I Were A Bellみたいな可愛い曲を流して安心させるのも手だな。ひろみの音楽はBGMにならないから、そういう用途では使えないんだよ。

随分批判的ですね。

いやいや、ひろみは凄いよ。批判するところなんて何もない。あのグルーブ、独創性、千年に一人の天才だよ。バッハを超えてるんじゃないかな。

そうですか。

オレとやったときは「オレのソロのときはピアノを弾かないでくれ」って言ってやったけどね。

マイルスデイビス×セロニアスモンクのパクりですか。

いやだって、あんなのをバックにやりずらいでしょ?その後LINEで「なんで弾かせてくれなかったんですか(>_<)」ってきたけど、3日既読無視して「よく考えろ」って返信してやったよ。

随分上から目線ですね。

上からも何もベッドの上ではひろみもそこらへんの女と同じだったぜ、、、いや、この話はちょっと、、、ごめん、なしで(笑)

Sさーん、やめてくださいよ。文春砲が来ちゃいます。

ひろみとオレの関係は友達。それ以上でもそれ以下でもない。意味わかるな?

はい。

まぁ、正直、ひろみはたいしたことなかったよ。