共有から共感へ -121ページ目

優しさは、人を傷つけてしまうこともある。

完璧な文章などといったものは存在しない。
完璧な絶望が存在しないようにね。


これほど引き込まれる出だしに出会ったことはない。
村上春樹氏の処女作「風の歌を聴け」の第一文だ。


あらすじは、ウィキペディア でも参照してもらえればよい。
僕が語ることでもない。


僕と、この小説の主人公「僕」は、似ている部分が多いなと感じた。
相手を否定しないという点だ。
ただ、この小説でも描かれているように、
相手を否定しない=相手を受け入れる
のとは意味合いが異なる。


優しさは、ときには武器になる。
相手を傷つけてしまう。
”優しさ”という道具は、扱うのが難しい。
道具とは得てしてそういうものだということが、わかる一冊だろう。




≪以下抜粋≫
・正直になろうとすればするほど、正確な言葉は闇の奥深くへと
沈みこんでいく。

・もしあなたが芸術や文学を求めているのならギリシャ人の書いた
ものを読めばいい

・「何故そう思うの?」「うーん」
答えなどなかった。

・「ねぇ、私っていくつに見える?」
 「28。」
 「嘘つきねぇ。」
 「26。」
 女は笑った。

・優れた知性とは二つの対立する概念を同時に抱きながら、
 その機能を充分に発揮していくことができる。

・「・・・ねぇ、いろんな嫌な目にあったわ。」
 「わかるよ」

・「冷たいワインと暖かい心」

・「何故いつも訊ねられるまで何も言わないの?」

・彼女は彼女にとってふさわしいだけの美人ではなかった

・巨大さってのは時々ね、物事の本質を全く別のものに変えちまう。
風の歌を聴け (講談社文庫)/村上 春樹
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