グレッグ・レイク架空インタビューvol.4 ファースト・アルバム&展覧会の絵 | 秋 浩輝のONE MAN BAND

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はじめに言葉はない

あくまで架空インタビューです。事実と思われるエピソードや、キースとグレッグが過去にインタビューで語ったことを膨らませ、「創作」しています。(一部ウソも含まれていますw)

 

GL=グレッグ・レイク

HA=秋 浩輝

 

HA「ロバート・フリップは、黒のレスポールを椅子に座って弾いていましたが、どういう理由からですか?」

 

GL「ロバートに言ったことあるんだ。『立てよ。それじゃ、まるでキノコみたいじゃないか!』 俺が言ったあと、2~3回立って演奏してたけど、またキノコに戻りやがった(笑) どうも立ったままだと、スムーズに弾けないらしいんだ。ま、おかげでキノコ・スタイルがヤツのトレード・マークになったからいいんだけどさ(笑)」

 

HA「椅子に座って、無表情な顔で演奏する姿は、超個性的ですもんねぇ。ま、目立ってナンボの世界ですから。ところで、あなたはロバートにナンパの仕方をレクチャーしたと聞いていますが、成果はありましたか?」


GL「ヤツの話は哲学的で難しすぎて、誰も理解できなかったみたいだな。結局、いつもフラれてたよ(笑) ヤツとちゃんと話ができる人間は、男でも俺しかいないんだ。それと奥さんのトーヤくらいじゃないかな。ジュディ・ダイブルなんか、マジ狂人だと恐がってたぜ(笑)」


HAELPの実質的なライブ・デビューは、1970年10月に開催されたワイト島ロック・フェスティバルですが、あの時の『展覧会の絵』の演奏はひどかったですねぇ~。3人の息がまったく合ってないし、ベースのチューニングは狂ってるし、ボーカルの音程もかなり外しているし……よく公式ライブ盤としてリリースしましたね」


GL「そんなにひどかったかな。でも、オーディエンスからは大絶賛されたぜ」


HA「評論家からはこっぴどく叩かれましたよね。DJのジョン・ピールには『才能と電気の無駄遣い』とまで言われましたし」


GL「あいつらは貶すのが仕事だからな。まったく気にしてないよ」


HA1971年3月26日のライブ・コンサートから『展覧会の絵』がオフィシャル・ライブ盤としてリリースされ、世界中で大ヒットしました。ワイト島から僅か半年足らずで格段に演奏力がアップしています。とても同じバンドの演奏とは思えませんね」


GL「いやいや」


HA「あの時はブートレッグが出回り始めたので、その対策として、急遽、リリースしたらしいですね」


GL「その通り。『展覧会の絵』は、リリースするつもりはまったくなかった。クラシック曲のアレンジはナイスの二番煎じみたいで嫌だったんだ。それと、『タルカス』を発表してから半年しか経ってなかったし、ELPの方向性が混乱されかねないという心配があったんだ。だから俺は最後までリリースするのを反対した。でも、クラシック・アレンジもELPの方向性のひとつだとオーディエンスが理解してくれたので、結果的には良かったんだけどね」


HA「『展覧会の絵』はたんに原曲をなぞっただけのアレンジではなく、大胆にシャッフルにアレンジした『古城』やオリジナルの『賢人』『ブルース・バリエーション』『バーバ・ヤーガの呪い』なども含まれていました。原曲からはテーマを借りただけで、もはや、あなたたちのオリジナルと言っても差し支えないと思います。歌詞も完全にあなたのオリジナルですよね。形態はどうあれ、私たちは『展覧会の絵』に、繊細かつ暴力的なロック魂を感じたのですよ。テーマは『生への渇望、希求』ですよね? 鋭い言葉と類いまれな透明感を感じさせるあなたの声と表現力は、キースの音楽性の高さ、演奏力に充分匹敵するほど素晴らしいものだと思います」


GL「いやいや」

 

HA「それはさておき、アンコールの『ナットロッカー』ですが、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』をカバーしたキム・フォーリー(50~60年代に活躍したアメリカのプロデューサー)のアレンジをさらにカバーしたという複雑な方法論を取っていますが、あれは誰の提案で演ったのですか?」


GL「もちろんキースだよ。俺はあの曲は大嫌いだったんだ。はっきり言ってくだらない曲だと思っていた。今はそうでもないけどね」


HA「そういえば、あなたはクラシック・レコードもたくさん収集してるらしいですね」


GL「あぁ、けっこう好きだよ」


HA「ファースト・アルバムに入っている『ナイフ・エッジ』の間奏にバッハの『フランス組曲』が使われていますが、あの曲を使うことを提案したのはあなたらしいですね。素晴らしいセンスだと思います」


GL「いやいや」

 

HA「『ナイフ・エッジ』のメロディやベース・フレーズの元ネタは、近代音楽の作曲家ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』という曲ですね。キースの音楽のバック・グラウンドって、クラシックに限って言えば、バッハなどの古典派からロマン派から現代音楽にまで及ぶという…とてつもない広さ、深さを感じます」

 

GLELPが他のプログレ・バンドと決定的に違う点は、クラシック音楽の取り込み方が幅広く、本格的だということだ。近代、現代、民族音楽まで登場するロック・バンドなんて他にないだろう?」

 

HA「たしかにその通りだと思います。村上春樹という超有名な小説家が日本にいますが、彼の『IQ84』いう小説に『シンフォニエッタ』の話が出てくるんです。たぶんELPの影響ではないかと私は睨んでいます。彼はロックが大好きですからね。『ノルウェイの森』というタイトルの小説があるくらいで。そのおかげで『シンフォニエッタ』のCDが日本では異常に売れたという話です」

 

GL「ハルキ・ムラカミ? 知らないな」

 

HA「今や世界中で翻訳されて、ここ何年かノーベル文学賞候補になっているという、世界的に売れている小説家ですよ? 彼の熱烈なファンは『ハルキスト』と呼ばれています」

 

GL「『サユリスト』なら知ってるよ。アクトレス・サユリ・ヨシナガ……俺より2、3歳年上なのに、今でも美しくて、熱烈なファンがたくさんいるらしいじゃないか。イギリスでもけっこう有名だぜ。写真でしか知らないが、ホントいい女だな」

……グレッグ、口元からよだれが垂れている

 

HA「…………」

 
Robert ”キノコ” Fripp
 
Toyah & Robert Fripp
 
Sayuri Yoshinaga
 
(vol.5に続く)