先日の参院選で、初出馬にも関わらず、
松田公太氏は見事に当選しました。
せっかくなので、彼の自伝的著作、
『すべては一杯のコーヒーから』を読んでみました。
松田公太氏は、タリーズコーヒージャパン創業者。
タリーズ(USA)は、もともとスタバと同じシアトル発祥で、
日本進出の時期も、スタバが96年に1号店を銀座にオープンし、
タリーズは、翌97年に同じく銀座に1号店を出店しています。
もともとこのようなスペシャルティコーヒーは、日本に存在せず、
そこに松田公太氏は目をつけていたのですが、
結局、スタバに先を越されるという展開から始まりました。
松田公太氏の経歴は、wikiにまとまっていたので、
一部抜粋して掲載します。
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1968年 - 宮城県塩竈市にて出生。幼少期は東京で過ごす。
1973年 - 水産会社に勤める父の転勤でセネガルのダカールに渡る。
1978年 - 日本に帰国。
1979年 - アメリカマサチューセッツ州レキシントンに渡り高校までを過ごす。サッカー部所属。
1986年 - 帰国して筑波大学国際関係学類に入学。アメフト部所属。
1990年 - 三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行。土浦支店に配属される。
1992年4月 - 赤坂支店に転属。
1994年1月 - 池袋西口支店に転属。優秀行員賞を二回連続受賞。
1995年12月 - 渡米した際にスペシャルティーコーヒーに出会う。
1996年 - 三和銀行を6月末に退行。9月にシアトルのタリーズ本社で交渉。
1997年1月 - 8月に東京都中央区銀座にタリーズコーヒー一号店を開店。
1998年5月 - タリーズコーヒージャパン株式会社を設立、代表取締役社長に就任。
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みてもわかる通り、小学校はセネガルの現地の学校に通い、フランス語で授業をうけ、
小学3年生で日本に帰国し、1年後、アメリカの学校に通うようになります。
学校において、転校を繰り返す子どもと同じように、松田公太氏も、
常によそ者として扱われ、差別を受け、そういった中で自身を磨き、強くし、
信用を培ってきました。
大学は日本に戻り、筑波大学に進学するわけですが、当時のサッカー部は、
ゴン中山や井原正巳がおり、あまりにもレベルが高すぎたため、アメフト部を選択。
就活は超売手市場で、企業は学生を囲い込むために、様々な接待をし、
現在では到底考えられないようなことばかりなのですが、
松田公太氏は、社会人の先輩と交流していく中で、
将来起業するのに、どの業種が最適であるか検討し、
最終的にいろんな経営者と、直接会うことのできる銀行員としてスタートしました。
しかし、配属されたのは土浦支店で、都心での本店、支店と異なり、
封建的、閉鎖的で、裁量も小さく、仕事に不満を感じていたといいます。
それでも起業の思いは捨てず、「給料の5倍の利益を稼ぐ」というのを自身に課し、
実際に実行しました。
そんな中、友人の結婚式でシアトルを訪問した際、
スペシャルティーコーヒーに出会い、この方面に捧げようと決め、
シアトルに存在する多数の店舗を1つずつ回って、味、雰囲気等比較しながら、
日本展開、パートナーシップを組める店舗を探しました。
その1つがタリーズであったわけですが、なかなかトップの人に会うことが出来ず、
帰国後、銀行員のかたわら、毎週日本市場に関するレポートを作成し、
HPに記載されているメールアドレス宛に10週以上に渡って送信し続けました。
そして、タリーズCEOが日本滞在している期間に、
飛び込みでホテルで面会を申し入れ、それから具体的な話が進んでいきます。
そして、1号店を銀座に、2号店を神谷町に、3号店はテイクアウト専門店として、
三井物産の建物に出店しました。
結果、3年余で上場を果たすわけですが、
当初は1号店の銀座の地下フロアに寝袋で週の半分を過ごし、
自身、バリスタとして店頭で働き、片付け、清掃を行ないました。
そんな彼を支えてきたのは、「仕事は情熱」という信念。
また、タリーズの特徴であるアイスクリームも、
詳細にわたる成分表示等が課せられており、
スムーズに輸入することが適いませんでした。
その後、アメリカ本社のCEOが交代したりし、
当初の契約書がいい加減であったため、
その点につけこまれ、権益に関し、抗争を強いられることになります。
最終的には、異例である自らの意思で、上場を廃止。
そして、いまも記憶に新しいですが、
5月12日、こうツイートし、自分もリアルタイムで確認していて、
驚いた記憶があります。
「お待たせしました。たった今記者会見が終わりました。
みんなの党から東京選挙区で出馬します!」
http://twitter.com/matsudakouta/status/13826046864
現在、41歳、個人的には政界よりも、財界にいた方が、
自由や裁量であったり、多くのことを実現できたのではないかと思いますが、
今後、どうなっていくのか、とりあえず観察してみることにします。。
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