映画「scope」 (スコープ) | 道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

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Il n'est qu'un luxe veritable, et c'est celui des relations humaines.
Saint-Exupery(真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。
サン=テグジュペリ)
 

scopeとは、性犯罪者監視法のこと。
 
日本では施行されておりませんが、
アメリカでは、「メーガン法(ミーガン法)」と呼ばれており、
次のような内容となっております。
 
1 性犯罪者の情報公開
2 性犯罪者は監視下におかれる(GPSなど)
3 ホルモン剤投与により、異性に触れると嘔吐し再犯を防ぐ
 
現在、渋谷UPLINKにて公開されており、
トークショーと一緒に5月8日に鑑賞してきました。
 
鑑賞後の感想をこうツイートしました。
 
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渋谷 アップリンクにて「scope」。性犯罪者を監視するスコープ法。
当人のみならず、取り巻く人たちも、彼を通じ自身の罪意識が芽生え、
逆上したり自傷にいたる。罪を憎んで人を恨まず。生きる意味を問う名作
5.8 23:42
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実はこの映画を見るきっかけになったのが、ツイッターで、
5月6日に「scope」で製作総指揮・撮影:堀井威久麿氏のツイート。
 
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<ツイッター上でのやりとり>

堀井さん:最近ラーメンをよく食べる。UPLINK裏の「つけ麺ちっちょ極」というお店。おいしかった。
 
自分:アップリンク常連ですが、裏にそんな店があるとは知りませんでした。今度いってみます
 
(堀井さんのプロフィールを見て、「scope」製作者であることを知る)
 
自分:8日にトークショーがあるんですね。せっかくのいい機会なので参加してみます。
 
堀井さん:わかりました。ありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします!

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自分はこの「scope」を観て、ある手塚治虫のマンガを思い出しました。
 
それは、「奇子(あやこ)」という作品で、旧習深い農村で、
外部に漏らすことのできない隠し事をしている天外家。
 
娘である奇子はあるきっかけで、蔵に幽閉されることになり、
戸籍も抹消され、事実上、社会と一切接触を持つことができない状況で、
暗闇の中、育っていきます。
 
天外家には、その事実を知っている者、いない者がおり、
罪意識、負い目を感じながらも、一族の名誉のために冷酷に幽閉を続けます。
 
天外家の三男、伺朗(じろう)は、強い正義感のもと、
家族を告発しようとしますが、最終的に、
伺朗自身もその関係者となってしまうのです。
 
この「scope」も、性犯罪者である主人公のアツオに対し、
周囲の人は冷遇、邪魔者扱いをするのですが、
彼を通じ、周囲の人も自身が過去に犯した事柄に対し、
罪意識にさいなまされ、最終的に逆上したり、自傷にいたってしまいます。
 
主人公アツオが恋する娘ナギは聾唖(ろうあ)なのですが、
その意思疎通が十分にできず、もどかしい振舞いは、
手塚の奇子と二重写しになって見えます。 

 
「scope」は、渋谷UPLINKにて、6月4日(金)まで上映となっており、
今月14日・15日・19日には、舞台挨拶、トークショーもあります。
 
http://www.uplink.co.jp/x/log/003470.php
 
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映画「Scope」 @TeamScope
 
製作総指揮・撮影:堀井威久麿氏  @IkumaHorii

監督・脚本・編集:卜部敦史氏 @tobecinema

劇場が小さいので、行かれる方は30分前に整理券を
もらっておくことをおすすめします。