国際学力調査・PISAで、
トップの成績を誇るフィンランド。
よく教育のモデルとなりますが、
昔からそうだったわけではありません。
90年代、不況にあえいでいたフィンランドですが、
94年に29歳の若さで、ヘイノネン氏が教育大臣に就任。
「教育は投資である」とのモットーに、
大胆な教育改革を進め、国の学力向上に大きく貢献します。
興味深いのが、就きたい職業のトップが教師で、
修士号が必須で、教育学部が倍率10倍以上の
狭き門で最も優秀な学生が、教師になっています。
ちなみに、教師に続き、心理学者、芸術家・音楽家、
建築家、医師の順。
教育の目的とは、自ら学ぶ力をつけることであり、
「自分のために学ぶ」という意識が浸透し、
自分の人生は、自分で考え解決するという教育。
フィンランド人は、世界一読書好きといわれ、
国民の77%が毎日平均1時間読書しており、
本は比較的高価のようですが、その分、
図書館がいたるところにあるのです。
読書が学力向上に貢献するのは確かですが、
学力向上のための読書は、本末転倒。
自分が小学生の頃、塾で学力向上のためにと週1冊、
本を読むことを課せられ、
例として講師が「赤毛のアン」。
「赤毛のアン」はいま読んでも、学ぶべき点は多くあり、
自分は比較的、当時から本をよく読んでいましたが、
どうも、国語という科目がくだらなすぎて、
重箱の隅をつつくような解釈のテストに、
うんざりしていました。
また、フィンランドは会社の勤務時間が、
午前8時から午後4時で、大学の授業料もすべて無料、
GDPに占める教育予算の割合は、日本の1.6倍。
ヘイノネン氏が好きなラテン語の格言
「学校のためではなく、人生のために」
("Non scholae sed vitae discimus !")
ちなみに、高校卒業時までに4つの言語を学び、
フィンランド語、スウェーデン語、英語と
外国語をもう1つ。
日本がフィンランドに学ぶべきは、
そのシステムではなく、もっと意識的な部分で、
就きたい職業のトップが「教師」であるということは、
日本では考えられないことです。
自分は教師ほど崇高な職業はないと、
思っていますが、読書を通じて自ら学ぶ意欲など、
行政や教育委員会の視点では、改善しないような気がします。
ちなみに、最近掲載された経済産業省主催、
国家Ⅰ種 採用説明会のポスター。
日本の将来は、不明です。。
「ノキアより 教師が勝(まさ)る フィンランド」 シチョウアタリ
オッリペッカ・ヘイノネン―「学力世界一」がもたらすもの (NHK未来への提言)/オッリペッカ ヘイノネン
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