夜回り先生・水谷修 | 道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

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Il n'est qu'un luxe veritable, et c'est celui des relations humaines.
Saint-Exupery(真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。
サン=テグジュペリ)
 

「いいんだよ」
 
夜回り先生こと、水谷修氏は、
静かに語りかけます。
 
テレビや各地講演等を行っており、
特に、学校教育に携わっている人で、
知らない人はいないでしょう。
 
彼は、教員として、養護学校から始まり、
横浜で有数の受験校で、
充実した日々を社会科教員として過ごしていました。
 
それが、同業の友人との会話がきっかけで、
夜間高校へ赴任することに。
 
それから、彼の「夜回り」人生が始まります。
 
彼が助けた子供は、数え切れないでしょうが、
暴力団にとらわれたある子供を救うがために、
落とし前として、彼は、左手の小指をつめています。
  
21年間の教員生活で、唯一誇れること、
それは、一度も生徒を叱ったり、殴ったり、
したことがないということ。
  
 
実は、自分は一度、偶然、
本人にお会いしたことがあります。
 
2、3年前だと思いますが、
新宿・紀伊国屋書店で、
サイン会をやっているとの
店内放送があり、もしやと思い、
会場へいってみました。
 
すでに閉会間際でしたが、
その容姿は、もの静かでありながら、
確固たる意志を持ち、厳父のような
優しいまなざしをたたえていました。
 
おそらく、お世話になってたであろう女の子が、
先生に泣きついていました。
  
子供は愛情に飢えているのに、
大人がだれも認めてくれないので、
ある種、自分を必要としてくれる
夜の世界に浸っていってしまうのでしょう。
 
子供は何も悪くなく、
むしろ社会の被害者。  
 
自分が子供たちのために、できることは何か?
 
もしくは、自分も子供を被害者たらしめる
加担者になっているのでしょうか。
 
シリーズでいくつか出版されていますが、
『夜回り先生』は、その原点ともいうべき本です。


この本を通じて、日本にも、
こういう人がいることを、
知っていただければ幸いです。


夜回り先生/水谷 修

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