先日、新百合ヶ丘にある
川崎市アートセンター・アルテリオ映像館にて、
「花と兵隊」というドキュメンタリー映画を観ました。
この作品は、戦時中にビルマ(ミャンマー)に出兵し、
終戦後、日本に戻らず、現在も、ミャンマーに暮らしている
旧日本兵6人に対し、インタビュー形式で展開されます。
監督の松林要樹氏は、20代ということもあり、
映画の構成として、若干分かりにくい部分があります。
それは、その旧日本兵の人たちは、高齢で、
80歳近い人たちがほとんどであり、
監督自身が、現地にいって、その人たちに、
インタビューをしていますが、
見ず知らずの人に対し、彼らがどれだけ口を開いてくれるかというと、
難しいところがあります。
その上、インタビューの内容も、
複雑な心境なわけであり、
彼らが分かりやすく解説してくれるわけでは
ありません。
そもそも、彼らは、戦後、60年経った今も、
現地に暮らしているわけで、
あえて日本に帰らなかったのは、
当然、各人、それなりの理由があるわけです。
ただ、その理由も、
人に語れるものだったり、
語れないものだったりするわけです。
彼らは、インパール作戦に参加するために、
ミャンマーに来たわけですが、
このインパール作戦は、歴史上でも、
凄惨を極めたものと言われています。
実際、ミャンマーには、
そのまま、遺骨、白骨が、
地中に埋もれており、
彼らは、それらを年月をかけて回収し、
慰霊塔を建てて、祭っています。
彼ら6人の気持ちを、
どこまでこっちが理解し、
くみとることができるか。
映画全体としては、
インタビューの部分だけでなく、
インパール作戦自体の解説映像を入れ、
彼ら6人の位置づけを明確にした方が、
もっと、全体的に理解しやすいと感じました。
戦争というのを、
新たな一面から考えさせられた作品でした。