そうこうして、いよいよその日、3回目のダイブ、
ライセンス取得のための最後のダイブとなります。
30分もぐっては、上がって、1時間休憩し、
また、30分もぐって、1時間休憩し、
朝から始めたため、その頃には、
ちょうど昼12時ぐらいになっていました。
さすがに3回目ではあったため、
もぐることに対する不安はなかったのですが、
毎回、上がるたびに、酸欠による頭痛と疲労感に
襲われていました。
当然、ボンベはつけているわけですが、
普段呼吸するのとは、全然違うわけで、
一定量、一定のペースで呼吸はできますが、
それでも、意識して、息をはいて、吸っているわけです。
その上、水深も10mを越えているわけで、
身体にかかる負担は相当なものになります。
ライセンスを発行している協会(PADI)などでは、
1回もぐったら、どれくらい休憩しなければならないなど、
水深や潜水時間に応じて、細かく定めているのです。
それくらい、ダイビングというのは、
魅力的なマリンスポーツであると同時に、
生命の危険もあり、身体にも負担のかかるものなのです。
したがって、その日3回目のダイブでは、
海の美しさ以上に、自分の身体が悲鳴を上げていて、
潜りはじめて10分ぐらいした時から、
水圧からか、酔ったような状態になり、
気持ち悪くなって、吐き気をもよおしました。
しかし、ライセンスの件もあるし、
途中でやめたり、引き返すわけにもいかず、
ただひたすらに我慢し、時間が過ぎるのを待っていました。
大抵、つらい思いをしているときというのは、
時間が経つのが遅く、全然楽しいという状況ではなくなっていました。
そんなこんなで、浅井さんにリードされるままに、
海底に沿ってアップダウンしながら、
岸の方へ戻っていきました。
足がつくところまでいって、
口からボンベをはずしたとき、
まずまっさきに、その場で即、吐きました。
吐いてしまえば、楽なもので、
そんな頭痛と吐き気を抱えつつ、
無事、地上に戻れた喜びにひたっていました。
そうこうして、無事、
ライセンスの過程が終了したのでした。
自分の率直な感想としては、
やはり2日で取得するのは、
身体的にハードであると感じました。
それでも自分には、日程上、
それしか選択肢がなかったのです。
そんな、波乱にみちたスキューバ体験だったのでした。