スキューバ in サイパン (4) | 道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

道玄坂で働くベンチャー課長だったひと

Il n'est qu'un luxe veritable, et c'est celui des relations humaines.
Saint-Exupery(真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。
サン=テグジュペリ)
 

休憩を終えて、その日、2回目のダイブに移りました。
 
再度、器材を準備し、ボンベを交換して、
一式かついで浜へ向かいます。
 
入るポイントは同じですが、今度は違うコースを案内してくれました。
 
しばらくいくと、インストラクターの浅井さんが、
自分に何か指示をしています。
 
海底を指差しながら、自分を呼んでいます。
そこには、50cmくらいの岩があり、
そのかげに、何か生き物がいるのです。
 
よくよく近づいてみると、なんと、
そこには、たこが隠れていました!
 
魚屋で死んだたこや、切り身になったたこはあっても、
実際に、自然に生息するたこをみたのは初めてで、
非常にラッキーでした。
 
せっかくたこがいたので、
その周辺でゆっくりしていると、 
海面を2人組みのペアが泳いでいます。
 
彼らは器材をつけていないので、
ダイビングをしているわけではありません。
 
むしろ彼は素もぐりの状態で、
手にスピアというものをもっています。
 
このスピア、銛(もり)と、水銃を組み合わせたようなもので、
レバーを引くと、もりが一気に発射されるようになっており、
水中でのハンティング用の道具として使われています。 
 
インストラクターの浅井さんが、
その現地のチャモロ(人)の2人に、
たこが隠れていることを合図して教え、
自分と浅井さんは、その様子を見届けるために、
少し遠ざかりました。 
 
スピアを片手にもったチャモロの2人は、
海面から狙いを定めたかのように、
一気に海底にもぐり、たこのいる岩まで、
2mぐらいのところまでせまったときに、
シューッ!ともりが発射され、見事にたこを射抜き、
黒いすみが、一気にあふれ、
徐々に、すみがひいていきました。
 
ダイビングを目的に来たにも関わらず、
突然そのような光景を目の当たりにし、
それは、「海底二万海里」のシーンそのものであり、
非常に興奮を覚えました。 
 
そうこうして、もとのルートにもどり、
途中で折り返し、無事、2回目のダイブを終了しました。
 
駐車場で浅井さんと、たこのことを
語り合いながら、浅井さんが、
「クーラーボックスを持ってきていれば、
 自分でとったんだけどなぁ」と語っていました。
 
浅井さんみたく、海で生活しているような人にとっては、
道具を使わなくても、素手でたこをつかまえ、
急所にダメージを与えることができると。
 
地上の動物を殺すことは、自分が肉食をしつつも、
ためらわれる部分はありますが、
人が素手でたこと、水中で格闘している姿を想像すると、
すごく原始的な時代に戻ったみたいで、
海って不思議な力があると、感心させられました。
 
そんなこんなで、その日、2回目のダイブを終了したのでした。