休憩を終えて、その日、2回目のダイブに移りました。
再度、器材を準備し、ボンベを交換して、
一式かついで浜へ向かいます。
入るポイントは同じですが、今度は違うコースを案内してくれました。
しばらくいくと、インストラクターの浅井さんが、
自分に何か指示をしています。
海底を指差しながら、自分を呼んでいます。
そこには、50cmくらいの岩があり、
そのかげに、何か生き物がいるのです。
よくよく近づいてみると、なんと、
そこには、たこが隠れていました!
魚屋で死んだたこや、切り身になったたこはあっても、
実際に、自然に生息するたこをみたのは初めてで、
非常にラッキーでした。
せっかくたこがいたので、
その周辺でゆっくりしていると、
海面を2人組みのペアが泳いでいます。
彼らは器材をつけていないので、
ダイビングをしているわけではありません。
むしろ彼は素もぐりの状態で、
手にスピアというものをもっています。
このスピア、銛(もり)と、水銃を組み合わせたようなもので、
レバーを引くと、もりが一気に発射されるようになっており、
水中でのハンティング用の道具として使われています。
インストラクターの浅井さんが、
その現地のチャモロ(人)の2人に、
たこが隠れていることを合図して教え、
自分と浅井さんは、その様子を見届けるために、
少し遠ざかりました。
スピアを片手にもったチャモロの2人は、
海面から狙いを定めたかのように、
一気に海底にもぐり、たこのいる岩まで、
2mぐらいのところまでせまったときに、
シューッ!ともりが発射され、見事にたこを射抜き、
黒いすみが、一気にあふれ、
徐々に、すみがひいていきました。
ダイビングを目的に来たにも関わらず、
突然そのような光景を目の当たりにし、
それは、「海底二万海里」のシーンそのものであり、
非常に興奮を覚えました。
そうこうして、もとのルートにもどり、
途中で折り返し、無事、2回目のダイブを終了しました。
駐車場で浅井さんと、たこのことを
語り合いながら、浅井さんが、
「クーラーボックスを持ってきていれば、
自分でとったんだけどなぁ」と語っていました。
浅井さんみたく、海で生活しているような人にとっては、
道具を使わなくても、素手でたこをつかまえ、
急所にダメージを与えることができると。
地上の動物を殺すことは、自分が肉食をしつつも、
ためらわれる部分はありますが、
人が素手でたこと、水中で格闘している姿を想像すると、
すごく原始的な時代に戻ったみたいで、
海って不思議な力があると、感心させられました。
そんなこんなで、その日、2回目のダイブを終了したのでした。