先日のブログ、「ツールドフランス観戦記(2004プロローグ編Ⅱ)」にて、
末尾の方に、ブリュッセルのタンタンの資料館にでも、
行けばよかったと記載したが、それを読んだ自分の後輩が、
「タンタンって何ですか?」と自分に尋ねてきて、
自分としては、軽いショックを受けた。
タンタンは、フランスでよく放映されているアニメ(正確には、作者はベルギー)で、
フランス、ベルギーで知らない人はいないくらい有名である。
日本で言えば、「ドラえもん」と同じくらい、認知され、親しまれている。
作者はベルギー人のエルジェ(HERGE)で、一昨年、生誕100周年の特集を
やっていた記憶がある。
タンタンは一般的に子供向けではあるが、
大人でも、十分楽しめる内容である。
自分とタンタンとの出会いは、大学時代、
留学を目指し、フランス語を勉強していたとき、
大学のAVライブラリーにタンタンのビデオがあり、
その時に、視聴したのが初めてであった。
そのビデオは、もちろんフランス語で、
字幕もない状態であったため、
当時の自分の語学力では、ほとんど理解できない状態ではあったが、
一気にタンタンのとりこになり、かつ、ファンになってしまった。
現在、自分は、タンタンのDVDをほぼ全シリーズもっており、
確認をしたことはないが、それくらい好きなのである。
これらのDVDを買い集めたのも、留学中、
フランス語を勉強しているにも関わらず、伸び悩み、
その一つの打開策として、これらのDVDを購入した。
このDVDの優れているところは、フランス語の字幕が
付いている点であり、また、アニメでもあるため、
ごく日常的な会話、表現が多いということである。
そのため、留学中もストーリーを覚えてしまうほど、
繰り返し、これらを観て、フランス語を学んだのである。
自分があえて好きなシリーズをあげるとすれば、
"LE CRABE AUX PINCES D'OR"(「金のはさみのカニ」) と続編、
"TINTIN AU PAYS DE L'OR NOIR"(「燃える水の国」)である。
また、留学中は、エルジェ(HERGE)の伝記も読みきり、
本は当然、フランス語で、400ページもあったため、
何度も挫折しそうになりながらも、
1ヶ月近くかけて読みきった記憶がある。
彼の人生の詳細については、覚えていないが、わりと不遇な人生を歩んでおり、
1つ1つの作品も、さまざまな困難な状況の中、
描き上げており、どれ1つとして、スムーズに完成した作品はない。
なお、タンタンに出てくる双子の刑事・デュポン兄弟は、
実在のモデルとなるひとがいて、
本の中に、モデルとなった人の写真が掲載されていたが、
モデルもやっぱり双子で、デュポン兄弟に本当にそっくり!なのである。
ちなみに、フランス語では、"DUPOND ET DUPONT"となり、
間の「ET」は英語で言う「AND」の意味であるが、
一人目は、末尾がD,二人目は末尾がTであり、
彼らを総称して呼ぶとき、"DUPONDT"となり、
それが、実は、自分のアメーバのアカウント /dupondt/ なのである。
タンタンはもとは、当然、漫画であったわけで、
アニメ化されたのは、実は、著者エルジェの死後なのである。
(正確には、フランス語で、bande dessineeといわれるものであり、
MANGA(漫画)は、フォーマットや、ページのめくり順、
絵柄などから、区別されて呼ばれることが多い。
ちなみに、日本のMANGAはフランスでも非常に人気があり、
本屋でもビニルカバーをしておらず、自由に読めることから、
土曜になると、若い人がMANGAコーナーに座り込みで
読んでいる光景が、よく見受けられるほどである。)
従って、タンタンはアニメにて、放映されたからこそ、
そのキャラクターが立体化され、
世間にも親しまれるようになり、日本を始め、世界的にも、
人気を博するようになったわけであるが、
エルジェは残念ながら、それ見届けずして亡くなっているのである。
そういうちょっと複雑なタンタンの生い立ちであるが、
同時に、それらを超越しているのが、
われらがヒーロー、タンタンであると自分は思う。