先日、やっと出られる時間を見つけて、映画「ペリリュー楽園のゲルニカ」を見に行きました。もっと前に行くつもりでしたが、お葬式が重なって行けなくなっていたのです。
これは同名の漫画を映画化したもので、映画もアニメです。このペリリューという地名は、私は以前に戦争関係の本を読んで知っていましたが、誰に言っても聞いたことがないと言われました。でもこの小さな島に、日本人の若い兵隊さんたち1万人ぐらいが動員され、ほとんどの人が亡くなってしまい最後に生き残ったのは34人だったという実話をもとに書かれています。
昭和19年に物語はスタートしますが、実質戦争状態にあったのは1年間ほど、あとは彼らが知らないだけで実際には終戦になっていました。この物語は南洋の楽園のような島で繰り返される無駄ともいえる日本の軍隊独特の命令とそれに従わないと殺される部下たちの話です。
米軍は現地の住民をパラオ諸島本島に避難させて、終戦とともにまた戻してきます。それを見ている日本軍は、なぜこんなことをするのかわかりません。これだけを見ても、米軍の余裕がわかります。
米軍は、食料貯蔵庫として大きなテントをいくつも建てています。食料がない日本軍はネズミやトカゲで飢えをしのいでいましたが、ある時決意して米軍の食料を盗み出します。この時ゴミ箱に入っていた新聞を見て、広島と長崎に新型爆弾が落とされたことと終戦になったことを知りますが、誰も信じられません。
そして真相を確かめるために主人公の一人が、米軍に投降することを決意します。しかしこれも犠牲を伴いました。投降することを止めるために内ゲバのようになります。
やっと投降して34人を無事に救い出して、日本に帰れたという話ですが、このために2年間かかりました。グアム島で終戦を知らず何十年も潜んでいた横井さんの話は有名ですが、この人たちも2年間も無駄な時間を過ごしたのです。
日本の戦争の話を読むと腹が立つことがいくつかあります。食料の手当てをせずに現地調達とか言って密林に送り込む無謀さ、それと投降を禁じる命令が、いったい何人の無駄な死を招いたことか。鉄砲の弾に当たって死んだ人より,飢えか病気で死んだ人が多いという残酷さ。どの人もまだ若く将来のある人たちなのに。
たまたま、映画を見に行く朝のニュースで、ペリリュー島で集団墓地が発見されたと言っていました。これから遺骨収集に本格的に取り組むということですが、80年もたっていては、遺族ももういないのではと思います。
境内はもう紅葉も終わって、殺風景になりましたが、柑橘類の実が、花のようです。
キンカンです。お猿にとられることもありますが、今のところ残っています。
レモンです。娘のところはお婿さんがレモンを毎食使うので、送ると喜びます。残りのレモンもそのうち送ってやろうと思います。
今日は割と暖かい雨降りです。年末は暖かいらしいですが、体調管理はきちんとしないといけませんね。





