7月22日(土)午後1:00 札幌公演
7月23日(日)午後2:30 遠軽公演
スコットランドと気候が似ている島、
北海道公演。
気候が似ていると咲く花も似ています。
例えば、ナナカマド。


東京公演は8月3日


福島/山形公演は8月18日〜20日
18日午後6時の福島公演は売り切れのため
昼の部に追加公演を決めました。
午後3時開演です♪



セント・キルダの言い伝え
「世界が終わっても音楽と愛が残る」とは、
18世紀以前にスコットランドの離島、セ
ント・キルダ諸島で生まれた言い伝えです。
セント・キルダは、スコットランド本土から
北西に160kmも離れた島。
18世紀初め、セント・キルダでは天然痘が流行り、
180人の人口の大半が亡くなったのです。
「世界の果て」とも呼ばれた絶海の孤島が、
まさに「世界の終わり」という状況になり、
そんな島でこの言い伝えが生まれました。
直訳では、
「世界が終わった後に、音楽と愛だけが
生き残るだろう」という言葉です。
この意味するところはなかなか深い。

「芸術」でなかった音楽
18世紀初め、音楽を芸術に高めた
ベートーヴェン(1770-1827)はまだ
生まれていません。つまり当時、
音楽はまだ「芸術」ではありません。
この時代の音楽は、
宗教的儀式の「道具」であり、
貴族の食事のBGMであり、
オペラのような娯楽であり、
パーティやお祭りなど庶民の
娯楽としての歌や踊りでした。
百年後にもそれが演奏されるような
永遠の価値を持つ「芸術」と
思っている人はいませんでした。
ダヴィンチやミケランジェロの絵画や
彫刻こそが芸術だったのです。

詩と音楽と海鳥が贅沢品
このような時代のヨーロッパの辺境、
北大西洋に浮かぶ世界の果てのような島で、
「贅沢品は、詩と音楽と海鳥だけ」と
言われていました。
なんと慎ましい暮らしぶりでしょうか!
寒さと強風のため木が一本も生えない
厳しい自然の中で、海鳥の肉と羽根と油、
そして自ら吟ずる詩と音楽が
最高の贅沢という伝統的な生き方。

離島にはプロの音楽家もいなければ、
劇場も美術館もありません。
家の中や教会や広場で、
自作の詩をハープの伴奏で語り、
あるいはギターに合わせて唄うのです。
バグパイプが歌のイントロを奏でる
こともあったでしょう。 

アイルランド、スコットランドなどの
ケルト文化の伝統では、
音楽は神の言葉でした。
吟遊詩人(ミンストレル)と呼ばれて
ハープの弾き語りをしながら旅をする
職業人は、神の言葉の代弁者として
大変尊敬されました。
それに近づこうと自ら言葉を紡いで
詩を創り、語り合い、ともに唄うのが、
大人の贅沢な遊びだったのです。
つまり誰もが詩人、
シンガーソングライターでした。

想像力と創造性
まるで世界の終わりの気配さえあった
この小さな島で、まだ芸術ではなかった
音楽と愛が同列に語られていることに、
当時の人間の感性や想像力の豊かさを
思います。
音楽がこれほど重視されたのは
どうしてでしょうか? 
その理由のひとつは音楽が時間の芸術であり、
人間が時間的存在であることと
関係がありそうです。

「時間的存在」とは、人間は
絶望的な今この瞬間に生きながらも、
今とは違う未来があることを想像できる
存在だということです。
自力ではどうすることもできない
絶望的な状況でも、さまざまな体験をもとに
創造性を発揮して、状況が好転したときの
自分を想像することで希望を持てるのです。
人生の最期のステージにあっても、
自分が死んだ後のことで周囲への思いやりを
発揮しながら、
氣高い態度で生きることができます。

時間芸術である音楽は形がなく
触れることもできませんが、
耳から入った感動の素は目からの感動よりも
心の深くに沁み込みます。憶えて
自分で再現する(唄う)こともできるのです。

音楽が重視されたもうひとつの理由
世界が終わっても残るものとして、
音楽が愛と対等に二つだけ挙げられた
もうひとつの理由は、音楽は愛だからです。
同時に愛は音楽とも言えます。

「音楽=愛」という大胆な公式に
氣がついたのは、ドイツの精神科医、
心理学者のエーリッヒ・フロム(1900-1980)の
『愛するということ』を読んだからです。

『愛するということ:成熟した愛では
互いに結びつきながらも、自分自身、
個性を失うことはない。
愛は、人間に備わる能動的な力で、
自分と他人を隔てる壁を破り、
自分と他人を結びつける力だ。
愛によって孤立の感覚を克服し、
自分自身を見失わず、自分の本分を守る。
愛する時には、
二人は一つになりながら二人のまま、
というパラドクスが起こるのだ』。

愛し合う二人が結婚すると、
女性のほうは名前を「失って」しまい、
「◎◎さんの奥さん」なんて呼ばれることが
珍しくありません。
子どもが生まれると「XXちゃんのお母さん」
なんていうのもよくある話です。
妻にも母にもちゃんと名前があります。
日本では、女性は多くの場合固有の名字を失い、
男性配偶者の名字に変えさせられます。
たいていの名前は、名字に合わせて
親の祈りを込めて名づけられたのに、
これでは台無しです。

選択制夫婦別姓の話は、
『音楽は愛』という話題とは直接的には
無関係ですが、
愛し合って結婚したのに姓名の半分の
「姓」を失ってしまうことは、
フロムによれば、本来の愛のあり方ではない、
ということです。
成熟した愛では「愛するときには、
二人は一つになりながら二人のまま」なのです。
名字が同じにならなくても、
成熟した愛があれば、何の問題もありません。

音楽は愛、愛は音楽
『愛するということ』の「愛」という言葉を
「音楽」に置き換えて読んでみましょう。
 
『音楽するということ:成熟した音楽では、
互いに結びつきながらも自分自身、
個性を失うことはない。
音楽は、人間に備わる能動的な力で、
自分と他人を隔てる壁を破り、
自分と他人を結びつける力だ。
音楽によって孤立の感覚を克服し、
自分自身を見失わず、自分の本分を守る。
音楽する時には、
二人は一つになりながら二人のまま、
というパラドクスが起こるのだ』。

いかがでしょうか? 
「愛」を「音楽」に入れ替えた以外は
全く手を加えていませんが、
音楽の本当の姿を的確に言い表しています。
だから「音楽は愛、愛は音楽」という
『愛と音楽の論理』(やぎりん説)が
成り立ちます。
18世紀初めのセント・キルダで、
このような論理はなかったでしょうが、
音楽と愛が対等に語られたのは、
音楽を神の言葉として尊重した
ケルト人の直感でしょうか。


18世紀初めのセントキルダが舞台になってる
英国の青少年小説『世界のはての少年』
東京創元社


スコットランド民謡《ナナカマドの木》
やぎりん訳詞《ふるさとのナナカマド》
合唱化計画

■ご支援金 1口 2000円。ご支援者には
1口につき2冊の楽譜をお送りいたします。
■期間:2023年10月末日まで(目標40万円)
10月下旬、楽譜発送予定
■受付口座 
◎郵便振替口座 00180-2-612135 
八木倫明(ヤギリンメイ)
ご送金の際には通信欄に「ナナカマド支援」と
ご記入をお願いします。

◎三菱UFJ銀行 高田馬場支店 
普通 0051411 八木倫明

◎三井住友銀行 光が丘支店 
普通 0724543 
地球音楽工房代表 八木倫明

銀行の場合、明細が不明ですので
お振込みの前後にEメール、
お電話などでご連絡お願いします。
■連絡先 yagirin88@gmail.com
080-5379-4929【やぎりん】年中夢求♪


★自由の風支援金募集♪
1口¥3000のご支援で8月の日暮里公演を
記録したCDまたはDVDを御礼にいたします。
郵便振替口座00180-2-612135八木倫明
通信欄に「自由の風支援」「CD希望」
または「DVD希望」とご記入ください。


《ラピュタ・シチリアーナ》動画リンク先

https://youtu.be/Odu3pM_cUfo

◆ご訪問ありがとうございます。このブログを
訪ねて下さった方々の幸運を祈ります。




大好評♪絶賛出版♪
やぎりん(文)+小澤一雄(絵)
絵本『わくわくオーケストラ楽器物語』
(ポトス出版)¥1800(+税)



やぎりんカルテート・リベルタ札幌公演
7月22日(土)午後1:00 札幌市民交流プラザ


やぎりんカルテート・リベルタ遠軽公演
7月23日(日)午後2:30
遠軽町芸術文化交流プラザ小ホール


7月30日(日)亀有落語会


7月31日(月)喫茶Roダん落語会


■やぎりんカルテート・リベルタ♪
自由の風 平和音楽会 2023年8月3日(木)
昼の部 午後2:00開演
夜の部 午後6:30開演
日暮里サニーホールコンサートサロン


■やぎりんカルテート・リベルタ♪
自由の風 福島公演
2023年8月18日(金)
昼の部 午後3:00(追加公演)
夜の部 午後6:00 売り切れ
福島市アクティブシニアセンターAOZ
4階 多目的ホール


■やぎりんカルテート・リベルタ♪
第5回 広い河の岸辺コンサート♪白鷹
2023年8月19日(土)午後4:00
白鷹町文化交流センターあゆーむ
■やぎりんカルテート・リベルタ♪
第5回 広い河の岸辺コンサート♪山形
2023年8月20日(日)午後1:00
やまぎん県民ホール スタジオ1



天使と悪魔の絶望名歌集
「世界が終わっても音楽と愛が残る」
歌:大前恵子(★印)
演奏:やぎりんカルテート・リベルタ(1〜16)
 高橋泉(チェロ)
 藤枝貴子(アルパ)
 清永アツヨシ(ギター)
 八木倫明(ケーナとナイ)

演奏:やぎりんトリオ・ケルティカ(17〜18)
 田中麻里(アイリッシュハープ)
 清永アツヨシ(ギター)
 高橋泉(チェロ)【ゲスト】
 八木倫明(ケーナとアイリッシュフルート)

読み語り:河向貴子(5と7)

1. ガブリエルのオーボエ
  (E.モリコーネ作曲)
2. 『銀河鉄道の夜』〜白鳥の停車場
  (藤平慎太郎・作曲)
3. ふるさと銀河に還る★
  (E.モリコーネ作曲/やぎりん作詞)
4. あなたの肩を借りたら
 【You Raise Me Up】★
 (B.グラハム作詞/R.ロヴランド作曲/やぎりん訳詞)
5. [読み語り]
  パラグアイの先住民族グアラニーの伝説
6. チョグイ鳥 (パラグアイ民謡)
7. [読み語り]
 ニュージーランドの先住民族マオリの伝説
8. ポカレカレ・アーナ★
 (NZマオリ民謡/やぎりん日本語詞)
9. 鳥の歌 (カタルーニャ民謡)
10. 聖母の御子★ (カタルーニャ民謡)
11. 愛は花、君はその種子★
  (A.マックブルーム作詞作曲/高畑勲・訳詞)
12. アマポーラ (J.M.ラカーリェ作曲)
13. もう一度愛の言葉を[切れた絃]★
  (ロシア民謡/やぎりん訳詞)
14. 鶴★【ウクライナ名歌】
  (R.ガムザートフ作詞/Y.フレンケリ作曲/やぎりん訳詞)
15. ワルツ 切れた絃 (ロシア民謡)
16. 小さなオルゴール (ウニャ・ラモス作曲)
17. 思い出のサリーガーデン★
  (アイルランド民謡/やぎりん訳詞)
18. 広い河の岸辺★
 (スコットランド、イングランド民謡/やぎりん訳詞)
19. ムーン・ダンス (清永アツヨシ作曲)[ギター+ケーナ]

CD番号
LIBERTAD-CD8686 【¥2800+税】
◎お申し込みは、やぎりんへ
yagirin88@gmail.com
税送料込みで¥3000にいたします。
*******************

◎エッセイ『広い河の岸辺』
大変好評で、販売中ですドキドキ


クローバー必然と偶然が時を得て生み出した、
大いなる奇跡!
この歌は今後50年、
100年と歌い継がれて
日本の歴史に残るでしょう。
湯川れい子

本の表紙
ドキドキ やぎりんBOOK『広い河の岸辺』
(主婦と生活社)!!¥1000+消費税

コンドル合唱譜混声
やぎりん作詞《コンドルは飛んで行く》
やぎりん訳詞《つばめよ》
吉田桂子編曲
合唱譜が出版されました。
女声三部/混声三部の2種類。
それぞれに、易しい二部合唱の楽譜も
収録されています。
¥1300(+税)全音楽譜出版社


合唱譜女声
ドキドキやぎりん監修の合唱譜が発売(全音楽譜出版社)。
小川類・編曲
☆女声三部/二部
★☆混声三部/二部

《広い河の岸辺》(スコットランド民謡)
《思い出のサリーガーデン》(アイルランド民謡)

2曲セット。
定価¥1200(+消費税)


完成した絵本表紙
ドキドキ葉祥明さんの絵本(文:八木倫明)
『ひろいかわのきしべ』(国土社)
発売しました!!


絵本『ひろいかわのきしべ』推薦文の
帯付きは初版のみです。
クミコさんと湯川れい子さんの言葉が
載っています。

ドキドキクミコさん
いま世界にあってほしいと思うものが
この絵本の中にあります。それは
暗い空をてらす、希望の光です。

ドキドキ湯川れい子さん
この歌は、これからの時代に愛され、
その時代を踏み越えて、
未来に継承されていくと信じています。


クミコジャケ写
合唱のスコアもついた
《広い河の岸辺》CD
You Tubeには載っていない合唱バージョンが
このCDには収録されています。
女声合唱団「青い鳥」が素晴らしい演奏をしています。

★《広い河の岸辺》の本質
『小さな死』からの出発。
http://amba.to/1oBdnE3


★地球人が渡るべき河のこと
http://amba.to/1t0E3O6

***********************

「なにも知らない。なにもできない。
なにもない。
なのに、なにかを求めている。
自分の微力は、よく承知している。
とるに足りない才能についても自覚している。

でも、せっかく生まれて来たのだから
感動したい。共鳴したい。
おなじ心のひとに会いたい。

それがせめて
みじかい生命の軌跡の中で
ぼくらが望むものではないか。

ところであなたは・・・。


★『詩とメルヘン』サンリオ刊
1982年4月号編集後記やなせたかし
◎やなさたかしさんの限りない優しさ
*********************
★エーリッヒ・フロムの愛の論理と音楽