ウィリアム・バトラー・イェイツ(1865.6.13- 1939.1.28)は、
アイルランドの詩人・劇作家。ノーベル文学賞(1923)


この歌は、少年の初恋の思い出を、
大人になった元少年が唄っている設定である。
この歌詞の元になったものを
口ずさんでいたのは
無名のおばあちゃんだった。
おばあちゃんが、自分の思い出を
少年の氣持ちになってつくった
詩なのかもしれない。

少年は13歳。
好きになった歳上のひとは25歳。
お姉さんの言葉は、哲学的で少年には
わからなかった。
20年後、とあるカフェで二人は偶然に再会。
彼女は45歳になり、
13歳の息子と一緒だった。
元の少年は33歳になっていた。
今もひとり暮らし。

20年前に彼女に言われて
あの時は意味がわからなかった言葉
「愛は氣楽にね。木の葉が枝に繁るように
自然なことでしょ?」。
この意味に氣がついたのは30歳の時だった。
彼女のほうは3年前に離婚して
息子と二人暮らしだという................
20年ぶりに再会した
元少年とその初恋のひと。
この二人はどうなっていくのだろう?

なんて話は、完全にボクの作り話(笑)♪
好きになった彼女の言葉が理解できない.......
これは少年の絶望感であり、
大人になってもこの時のことを思い出し
涙を流すことがある。
しかしその涙は絶望の涙ではなかった。
意味がわかった喜びの涙だったのではないか。

コリアン・デュオ
『デュエット・ヒュ』による
《思い出のサリーガーデン》がYou Tube で公開されました。

https://www.youtube.com/watch?v=t1wdn_3XvdY





Down By The Salley Gardens
   Irish Traditional

Down by the salley gardens
My love and I did meet
She passed the salley gardens
With little snow-white feet
She bid me take love easy
As the leaves grow on the tree
But I, being young and foolish
With her did not agree

In a field by the river
My love and I did stand
And on my leaning shoulder
She laid her snow-white hand
She bid me take life easy
As the grass grows on the weirs
But I was young and foolish
And now am full of tears

やぎりん直訳
柳の庭の脇を下って

柳の庭の脇を下ったところで
ボクは愛する人に出会った
あの人は雪のように白い可愛い足で
柳の庭を通り過ぎて行った
あの人がボクに言った
「愛なんて気楽に考えなさい。
木に葉っぱが繁るみたいなことよ」
でもボクは若くて愚かだったから
彼女にうなづくことはできなかった

小川のほとりの野原で
ボクは愛する人と並んで立っていた
あの人はボクの肩に寄りかかって
雪のように白い手を回してきた
あの人がボクに言った
「人生なんて気楽に考えなさい。
川の堰に草が生えるみたいなことよ」
でもボクは若くて愚かだった
そして今は涙が溢れてくる

★なんだか映画の一場面のようでしょ?
好きだなあこの歌。


ヨーロッパ系言語から日本語への翻訳で、
歌詞として訳したら、元歌が同じなのに
全く違う歌になってしまうという例です。
日本語表現の多様性でもあり、

この歌詞から何を伝えたいか?という

訳者の想いの違いでもあります。

先人の訳詞
******************************************************
サリー・ガーデン
bunbun訳詞(1967年)

柳の木のそばで 彼女と出逢った
雪のように白い脚 僕にこう言った
恋はあせらず柳の木が 葉を茂らせるよう
若く愚かな僕は それが分らなかった


あの川のほとりで 彼女とたたずむ
雪のように白い手を 肩に差し伸べて
ゆったり生きる 堰の草が葉を茂らせるよう
若く愚かな僕は ただ涙にくれる


サリー・ガーデン
  アイルランド民謡/日本語歌詞 F.土家
1 
君と会ったサリー・ガーデン 坂をおりた所
雪のような白い足 君は歩いていく
「木の葉が茂るように 気楽に愛せればいい」
だけど僕は若すぎて 君にうなづけない

川のほとり草むらに 君とふたりだけ
雪のような白い手を 肩において言った
「土手の草のように 気楽に生きればいいわ」
だけど僕は若すぎて 涙があふれそう

初恋
  アイルランド民謡/高石ともや訳詞

柳ゆれる庭の 美しい人よ
通り過ぎた素足の 白さばかり残る
春の花匂うままに 心うばわれて
想い届かぬ恋よ はじめての人よ

川のほとり行けば 夏の日が暮れる
肩に触れたその手の 白さばかり残る
夏草の騒ぐままに 心うばわれて
想い届かぬ恋よ ただ涙ばかり

******************************************************

思い出のサリーガーデン解説
【Down By The Salley Gardens】
原曲の歌詞は、1923(大正12)年に
ノーベル賞受賞のアイルランドの詩人
ウィリアム・バトラー・イェイツ
(1865-1939)の1889年の詩集に
収められている。
完全な自作ではなく、
無名の老婦人が口ずさんでいた
歌に基づいている。
年上の女性を真剣に恋した、
かつての少年が思い出を歌う。
恋に手慣れた大人の女性と、
うぶな少年との意識の差。
女性の白い手足が、少年の憧れの
シンボルとして歌われているところが、
想像力をかきたてる。
大人になった少年は涙するが、なぜだろう?

大人になってからわかることがある。
「あの時あの人は僕の愛を
受け入れてくれていたんだ」と、
気づいたのではないか。
「人が人を好きになる、
あなたがわたしを好きになる、
それは自然なことなの・・・」
あの言葉はそういう意味だった、と。
つまりそれは
愛の喜びと哀しみを同時に知った
涙なのだと、ボクは思う。

訳詞のポイントは
ノーベル賞詩人がまとめた歌詞の
文学性の高さを維持したまま
訳せるかどうか、ということだった。

思い出のサリーガーデン
  アイルランド民謡
  やぎりん訳詞

思い出のサリーガーデン 柳そよぐ庭
愛しいあの人に出逢った 懐かしの庭よ
雪のように白い足で 通り過ぎたあの人を
思い出すサリーガーデン ぼくの愛の庭

愛しいあの人の言葉「愛は気楽にね
木の葉が枝に繁るように自然なことでしょう」
けれどぼくは若すぎてその意味がわからない
思い出すサリーガーデン ぼくの愛の庭

思い出のサリーガーデン 柳そよぐ庭
愛しい人とたたずんだ 小川のほとりよ
雪のように白い手を ぼくの肩におきながら
ささやいたあの言葉を ぼくは忘れない

「気楽に考えましょうよ 人生のことは
草原の草花のように自然なことでしょう」
けれどぼくは若すぎてその意味がわからない
今ではぼくはひとり 涙に暮れてる



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昼の部2:00開演
夜の部6:30開演
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2月27日のRoダん読み語りアイリッシュコンサートは
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鳥たちの詩、海の詩

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小笠原育美・作曲/相馬邦子・編曲
2.海はふるさと【大海啊故郷】
王立平・作詞作曲/やぎりん訳詞
3.浜辺の歌
林古渓・作詞/成田為三・作曲
4.アメイジング・グレイス
英国賛美歌
5.ロッホ・ローモンド
スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
6.ふるさとのナナカマド
スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
7.聖母の御子
カタルーニャ民謡
8.鳥の歌
カタルーニャ民謡/やぎりん訳詞
9.つばめよ
ナルシソ・セラデル・セビージャ作詞作曲/やぎりん訳詞
10.海はふるさと【大海啊故郷】
王立平・作曲(インストゥルメンタル)
2017年8月25日
東京文化会館小ホールでのライヴ録音
11. 童神(わらびがみ)
古謝美佐子・作詞/佐原一哉・作曲
12. コンドルは飛んで行く
ダニエル・アロミーア・ロブレス作曲/やぎりん作詞

歌:大前恵子
演奏:木星音楽団
小野美穂子【箏:十七絃/十八絃】
藤枝貴子【アルパ】
三塚幸彦【尺八】
八木倫明【ケーナとナイ】
ゲスト
金亜軍【揚琴】
古谷真未【チェロ】
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この歌は今後50年、
100年と歌い継がれて
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合唱譜が出版されました。
女声三部/混声三部の2種類。
それぞれに、易しい二部合唱の楽譜も
収録されています。
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小川類・編曲
☆女声三部/二部
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《広い河の岸辺》(スコットランド民謡)
《思い出のサリーガーデン》(アイルランド民謡)

2曲セット。
定価¥1200(+消費税)


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いちよ・たかこ・やぎりんトリオ♪
+ゲスト・チェロ古谷真未
アルバム『いのちと平和の音源』
¥2800(+税)通販価格¥3000(すべて込み)

収録曲(★歌入り/☆チェロ入り)
1.愛は花、君はその種子(たね)
(A.マックブルーム)[高畑勲 訳詞]★☆
2.黄色い村の門(アイルランド民謡)☆
3.思い出のサリーガーデン
(アイルランド民謡/やぎりん 訳詞)★☆
4.白鳥の停車場(藤平慎太郎)☆
5.ラ・サンドゥンガ
(メキシコ民謡/やぎりん 日本語詞)★
6.君の影になりたい【アルパ・ソロ】
7.ラピュタ・シチリアーナ
(イタリア・ルネサンス〜久石譲) ☆
8.よろこびのうた
(メキシコ民謡/枝元一代ほか 日本語詞)★
9.童神【わらびがみ】
(佐原一哉/古謝美佐子・作詞)★
10. 蕾【つぼみ】(小渕健太郎)【アルパ・ソロ】
11. チョグイ鳥(パラグアイ民謡)
12. 広い河の岸辺
(スコットランド民謡/やぎりん 訳詞)★☆
13. コンドルは飛んで行く(D.A.ロブレス)☆
14. 人生よ、ありがとう
(ビオレータ・パラ/やぎりん 訳詞)★☆
15. 島唄(宮沢和史)★☆


木星CDジャケット
木星音楽団アルバム
Winds & Strings
湯川れい子さん推薦メッセージ
和楽器とラテン楽器による、
実にユニークで魅力的な異文化四重奏団だ。
でも異文化というより、
むしろどこか大昔に
深くつながっていた音と文化だ!
という確信に近い懐かしさであり、
新鮮なアイデンティティの再発見なのだ。
そう、ひょっとしたらこれは、蒙古斑まで遡る、
とんでもなく壮大なロマンかもしれない。

湯川れい子(音楽評論・作詞)
¥2800(+税)通販価格¥3000(すべて込み)

木星音楽団
箏:小野美穂子/アルパ:藤枝貴子
尺八:三塚幸彦/ケーナとナイ:八木倫明
1.木星【ジュピター】
2.北飛行(小野美穂子オリジナル)
3.涙そうそう
4.少年時代
5.アルパ協奏曲《鐘つき鳥》
6.オリーブの首飾り
7.コーヒー・ルンバ
8.芭蕉布
9.引き潮
10. イエスタデイ
11. 明日
12. 江差(三塚幸彦オリジナル)
13. 月の沙漠 幻想
14. 砂山
15. 雪(三塚幸彦オリジナル)


完成した絵本表紙
ドキドキ葉祥明さんの絵本(文:八木倫明)
『ひろいかわのきしべ』(国土社)
発売しました!!


絵本『ひろいかわのきしべ』推薦文の
帯付きは初版のみです。
クミコさんと湯川れい子さんの言葉が
載っています。

ドキドキクミコさん
いま世界にあってほしいと思うものが
この絵本の中にあります。それは
暗い空をてらす、希望の光です。

ドキドキ湯川れい子さん
この歌は、これからの時代に愛され、
その時代を踏み越えて、
未来に継承されていくと信じています。


クミコジャケ写
合唱のスコアもついた
《広い河の岸辺》CD
You Tubeには載っていない合唱バージョンが
このCDには収録されています。
女声合唱団「青い鳥」が素晴らしい演奏をしています。

★台湾に広がる《広い河の岸辺》
http://amba.to/1z1p6NO


★《広い河の岸辺》の本質
『小さな死』からの出発。
http://amba.to/1oBdnE3


★地球人が渡るべき河のこと
http://amba.to/1t0E3O6

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「なにも知らない。なにもできない。
なにもない。
なのに、なにかを求めている。
自分の微力は、よく承知している。
とるに足りない才能についても自覚している。

でも、せっかく生まれて来たのだから
感動したい。共鳴したい。
おなじ心のひとに会いたい。

それがせめて
みじかい生命の軌跡の中で
ぼくらが望むものではないか。

ところであなたは・・・。


★『詩とメルヘン』サンリオ刊
1982年4月号編集後記やなせたかし
◎やなさたかしさんの限りない優しさ
*********************

★音楽、落語、ラジオ、読書。想像力が抗認知症?
http://amba.to/1osUvYd

★エーリッヒ・フロムの愛の論理と音楽